春のビジネスブリーフは「リュック」重視で選ぶ

新生活がスタートする春こそ、心機一転、毎日使うかばんも刷新して迎えたい。そこで前回(「この春買うべきビジネスバッグは『薄く小さく』」)に続き、かばんの最新トレンドを紹介する。

ビジネスバッグのトレンドが「薄く小さく」になっているというトレンドを紹介した第1回に続き、第2回に取り上げるのは、ジャケット+パンツといった「ビジネスカジュアル(=ビジカジ)」に最適な仕事かばん。ビジネススタイルといえどもスーツよりもラフな着こなしのため、幅広いタイプのバッグから選ぶことができる。中でも30代のビジネスパーソンに支持されているバッグはどんなものなのか、三越伊勢丹のかばん担当バイヤーに話を聞いた。

仕事着のカジュアル化に伴い“背負う”人が増加中

「リュックにもなるブリーフケースがよく売れています。カジュアルバッグだけでなく、ビジネスバッグも背負えることがひとつのトレンドになっているようです」(三越伊勢丹 紳士・スポーツ統括部 かばん・革小物バイヤーの高塚佳伸氏)

ハンドルで提げるだけでなく、リュックストラップ付きで背負うことも可能なブリーフケース。人気の背景には、通勤に自転車を利用する人が増え、またビジネスウエアのカジュアル化も進んでいるという状況があるという。

使い方も変化している。「以前はリュック側はサブ的に使う人がほとんどだったが、今は逆にリュック側をメインとして使っている人が多い」(高塚氏)。確かにリュックストラップを出したままの人を電車などでよく見かける。一度リュックとして使うと、ストラップを収納するのもちょっと面倒なこともあり、TPOに合わせてマメに持ち替える人は少ないのかもしれない。

何より背負うことの快適さを知ってしまうと、もう手持ちには戻れないのだろう。荷物の重さが苦にならないので移動が驚くほどラクな上、両手が空くからスマホ操作も思いのまま。もちろん自転車通勤もケタ違いに快適になる。このようにメリットの多い“背負う”ことが前提であれば、いっそリュックを選んでもいいのでは?

実は最近、ビジネスシーンでの使用を想定して作られたリュックが数多く発売されている。

ラップトップPCを収納できるポケットが付いていたり、小物類をきちんと整理できるオーガナイザーを備えていたりと、ブリーフケース並みの機能を持つリュックが続々登場。デザイン面においても、高級感のある生地を使った上品な印象のものが多く、黒を基調とした落ち着いた仕上がりのためビジネススタイルとの相性も良い。

「昨年まではブリーフデザインでリュックにもなるバッグが売れていましたが、今年は仕事向きのファンクションが付いているリュックが売れています」(高塚氏)

そんなビジネスリュックの中でも、今回は特に注目の2アイテムを紹介する。細部を見ていくことで、今買うべきバッグの条件が見えてくるはずだ。

リュック側がメインのバッグが使いやすい

マスターピース「三越伊勢丹別注のバッグ」。耐久・はっ水性の高い同ブランドのオリジナル素材で仕立てている。素材に光沢があり上品なため、ビジネスユースにもしっかり対応できる。3月中旬発売予定。3万6000円(税別)

マスターピースは、1994年にスタートした日本の人気バッグブランド。メード・イン・ジャパンにこだわり、時代のニーズに合ったデザイン&機能を持つアイテムを展開する。大阪に工房を構え、日本の若手かばん職人の育成にも努めている。

今回紹介するのは三越伊勢丹別注のバッグ。形状から開発に携わり、素材には耐久性・はっ水性に優れたマスターピースのオリジナル素材のマスターテックナイロンを採用。一般的にリュックにもなるブリーフケースは、ブリーフとして使うことを想定した構造になっているが、このバッグは背負ったときに機能するポケットを設けるなど、リュックとしての使い勝手が非常に良い。リュック側をメインに据えたバッグだ。

内部ポケットのファスナーの向きをよく見てほしい。リュックとして使用したときに機能するポケットであることがわかるだろう。荷室は2層式で収納力が高く、背面荷室にはリュック時にもブリーフ時にも使えるPCスリーブを備える。

縦にも横にもハンドルが付いているので、電車内で手持ちにするときに便利。またブリーフとして使う場合は、リュックストラップを背面にすっきり収納できる。

アウトドアブランド発のビジネスリュックに注目

グレゴリー「三越伊勢丹別注のオーバーヘッドデイ」。グレゴリーが展開しているスクエアフォルムのバックパックに、コットンナイロンのマットな素材を採用している。4月27日発売予定。2万1000円(税別)

今、人気上昇中なのがビジネス仕様の純然たるリュック。特にアウトドアブランドから発売されているものに注目が集まっている。

もともと吉田カバンのようなバッグブランドが展開するビジネスリュックがあって、近年はインケースなどデジタルデバイスを持ち運ぶために作られたリュックが流行した。そして次なる第3勢力として頭角を現したのが、アウトドアブランドが作るビジネスリュックだ。

「アウトドアブランドのリュックは耐久性などのスペックが高く背負いやすい。そのアウトドア由来のファンクションをいいとこ取りして、タウンに落とし込んだものが売り上げを伸ばしている」(高塚氏)

1977年、カリフォルニア生まれのグレゴリーは、一貫してアウトドア用のバックパックを作り続けてきた名ブランド。長年培ったバッグ作りのノウハウを駆使して、三越伊勢丹別注のビジネスリュックは誕生した。コットンとナイロンを混紡したマットな素材を使い、落ち着きのある柔らかい雰囲気に仕上げている。アウトドア用品は特性上、明るいカラーリングのものが多いが、ビジネスユースを考慮してタグも金具もオールブラックに。

また収納面に関しても、ビジネス使いを考慮した設計になっている。フロントポケットの裏地に起毛素材を採用し、スマホなどモバイル機器の表面を保護。そして内装にはウレタン入りのPCスリーブを備える。ホックによる着脱式で、小物を入れられるポケットも付いているので単体としても使用できる。

内装にホックで簡単に着脱できるPCスリーブを搭載。この機能はアタックバッグ付きの登山用パックから着想を得たものだという。

PCスリーブはポケット付きで単体でも使用可能。社内ミーティングなどにはクラッチバッグ感覚で使うのもいいだろう。

ジャケット+パンツのビジカジスタイルは言うまでもなく、スーツにも合わせられるデザイン。もちろんカジュアルな着こなしとは相性が良く、オン・オフ兼用できる。ちなみに、かのグレゴリーの名作「デイパック」も、同仕様の別注モデルが展開されることも伝えておく。

スクエア&ブラックかつPC収納付きを選ぶ

以上、伊勢丹の新作ビジネスリュック2つを紹介したが、リュックを仕事で使うには、デザインと機能の両面を吟味する必要がある。選ぶときは、ビジネスマナーにのっとったスクエアフォルム&ダークカラーで、PCスリーブなど仕事道具が収納できることを確認したい。

これらの条件を満たすリュックをオンタイムに取り入れることで、実際に動きやすく、アクティブな印象のビジカジスタイルが実現できる。この春のかばん選びでは、背負うことを前提にビジネスリュックを検討してみてはどうだろう。

(ライター 津田昌宏)

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