研修通じ女性活躍後押し 挫折して身につけた指導力

日経ウーマノミクス・プロジェクト

日本航空で働く女性の活躍を後押しするプロジェクトが始まった。2015年に立ち上げた「JALなでしこラボ」は日航グループ社員のダイバーシティへの啓発や、意識改革を促すほか、女性管理職の登用など数値目標の実現に向けた行動計画を推進する。

同ラボのメンバーの一人が意識改革・人づくり推進部で教育・研修を担当する安部やよいアシスタントマネジャー(46)だ。「研修に来た社員をピカピカにして現場に帰す」と意気込む安部さんは、ゲームの手法を取り入れた全員参加型の研修を開発するなどして現場のモラルアップに努めている。

「JALなでしこラボ」のメンバーで日航グループ社員のダイバーシティへの啓発や、意識改革を促す安部やよいさん

「アルバイト出身の社員が社員教育を担うようになるなんて」――。こう言って少しはにかんだ笑みを浮かべた安部さんは、日航では異色のキャリアの持ち主だ。1994年にアルバイトとして日航に入社。運航本部の庶務担当として政府専用機のマニュアル改定の仕事で防衛庁(現防衛省)などとの折衝にも携わった。

その後、職員として日航の健康保険組合に入り、グループの経理業務を担う会社に出向した。独SAP社の統合型業務管理システムの導入プロジェクトを数年にわたって担当。経理部門での業務内容を評価され、05年に日航の正社員となった。

安部さんのキャリア上の転機は、31歳で女性だけのチームの責任者に抜擢された時のことだ。女性だけというチームの特殊性に加え、メンバーの半分が年上だったこともあり、安部さんへの反発は大きかったという。「当時は若くて人に指示を出すスキルに乏しく、上から押さえつけるように接してしまったのです」(安部さん)

その結果が反発や陰口となって返ってきてしまった。プロジェクトも思うように進展しない。どうしたら人の気持ちを動かせるのだろうと悩んだ挙句、体調を崩してもう限界と感じた安部さんは上司に「もう続けられない。リーダーを代えてほしい」と直訴した。