「家事代行率」で選ぶスグレモノ家電 炊事編
プロのおすすめ
【炊事編1】シャープ「電気無水鍋 ヘルシオホットクック」
2015年11月に発売された、シャープの電気無水鍋「ヘルシオホットクック」。その魅力は朝に食材を切ってセットしていけば、設定時間にちょうど仕上がる「食べごろ予約調理」ができること。例えばトマトやタマネギ、セロリなどの野菜と骨付きの鶏肉やカレールーなどを内鍋に入れ、仕上がり時間を帰宅する19時に設定。炊飯器も同時刻にタイマーをセットしておけば、できたて熱々のチキンカレーを食べられるというわけだ。
切って入れるだけの「おまかせ調理」を可能にしているのが、ふたの内側に搭載された折り畳み式の回転翼。調理中に鍋の中を自動でかき混ぜてくれるため、焦げ付きの心配がなく、味の染み込みもよい。
それに加えて野菜の水分だけで調理でき、ビタミンCやポリフェノールなどの栄養素をたっぷりとれる無水調理ができるので、言うことなし。付属のレシピブックには100種類のメニューが掲載されている。
【炊事編2】象印マホービン「圧力IHなべ 煮込み自慢」
炊飯器で培った可変圧力の技術を応用して作られた電気圧力鍋。熱源にIHを使って効率よく加熱し、1.2気圧という弱めの圧力で食材が崩れることなく、少ない調味料でも中までしっかりと味を染み込ませる。
炊飯器感覚で使え、食材をセットするだけでおまかせ調理ができるため、火加減を気にしたり、つきっきりでいたりする必要がない。通常の圧力鍋は減圧してからしばらくはふたを開けられず、タイミングをつかむのが難しい。「煮込み自慢」は調理終了のメロディーが鳴ったらすぐにふたを開けられるので便利だ。
シチューや煮物のほか、アクアパッツァなども得意。ヘルシオホットクック同様、煮豆なども軟らかく煮上がる。部品の点数が少なく、お手入れが簡単なのもいい。
【炊事編3】タイガー魔法瓶「タクック」シリーズ
炊飯時の蒸気を利用して内なべでおかずも作れてしまう「タクック」シリーズは、これ1台で食事の支度ができる頼もしい炊飯器だ。ごはんの炊き上がりとともに熱々のおかずが出来上がるので、タイミングもバッチリ。
ラインアップも若い一人暮らし向けの「わたしのタクック」、シニアに向けにごはんのおいしさや和食のメニューを充実させた「大人のタクック」、子どものいるファミリー向けでたっぷりサイズの「みんなのタクック」、二人暮らしに向く「ふたりのタクック」と4種類そろっている。
「わたしのタクック」ではスープを内釜で作り、その蒸気でおかずを作るというメニューも提案。帰りにパンを買ってくれば、スープとおかず1品をタクックで作るという「パン好きのための調理」もできる。
遠赤ホーロー釜を採用した「ふたりのタクック」では、「キノコのピラフ&鮭のクリーム煮」や「サフランライス&ビーフストロガノフ」などのごちそうメニューも豊富。3.5合炊き(同時調理の際は1~1.5合のごはん+約2人分のおかず)のほか、二人暮らしでもたっぷり食べる人にぴったりの5.5合炊きもある。
【炊事編4】シャープ「ウォーターオーブン ヘルシオ AX-XP200」
過熱水蒸気によって余分な脂分や塩分を落としたヘルシー調理ができるシャープのヘルシオ。メリットは分かっていても、なんとなく使い方が難しく、レシピブックどおりの食材をそろえるのが面倒だという印象が強かった。ところが、2015年モデルでは機能を大きく刷新。食材の分量や冷蔵・冷凍などの温度帯、加熱時間を気にしないで調理できるようになった。
「まかせて調理」を選んだら、その後は「焼く」「炒める」「蒸す」などの調理方法を選択するだけ。例えば「炒める」を使って焼きそばを作る場合は角皿に麺や野菜、肉などの食材を広げて並べ、スタートボタンを押せば自動で調理が始まる。冷凍しておいた麺、常温の野菜、冷蔵の肉など、食材の温度も気にしなくていいのが画期的だ。
フライパンや蒸し器、鍋を使う感覚で自由に食材を選んで調理ができ、しかも火を使わないため、おまかせ調理に優れた一台といえるだろう。
【炊事編5】東芝「マジック大容量冷凍冷蔵庫 FMシリーズ」
炒めるにしてもスープなどの汁物を作るにしても、一番面倒なのが野菜の下ごしらえだろう。洗う、水気を切る、皮をむく、切る……そうした一連の作業が済んだものがストックしてあれば、野菜を豊富に使った料理をするのも手軽にできるものだ。
東芝の冷蔵庫は「ベジータ」という愛称で呼ばれていた数年前のモデルから「野菜そのまま冷凍」の機能を製氷室の隣にある上段冷凍室に備えている。週末などの時間のあるときに刻んで冷凍しておくのもよし、鍋料理などで余ってしまった野菜を冷凍するもよし。あとはそのまま炒めたり、汁物に入れたりして便利に使える。
煮物に使う食材やキノコ類はラップをかけずに冷凍させる「そのまま冷凍ドライ」機能を利用するとうまみが増し、味の染み込みもよくなる。
新聞社勤務を経て「家電コンシェルジュ」として独立し、豊富な知識と積極的な取材をもとに、独自の視点で情報を発信。2015年2月、表参道に「家電アトリエ」を開設。テレビ出演や執筆、コンサルティングなど幅広く活躍中。
[日経トレンディネット 2015年12月21日付の記事を再構成]
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