WOMAN SMART

朝・夕刊の「W」

主婦も稼ぐ、ネット時代の副業 経験・モノを「シェア」

2015/12/19

余ったモノや経験をインターネットでやりとりする「シェアリングエコノミー」を駆使し、主婦の副業が変わった。家事や育児と両立させながら、家計を支える。つわもの主婦らにノウハウや人生観を聞いた。

ヨウさんはAirbnbを利用して自宅の一部を貸し出している(東京都品川区)

――みなさん、どう稼いでいるのですか。

ヨウ・リシェンさん「自宅の一室を貸す民泊サービス『Airbnb(エアビーアンドビー)』で海外旅行者を募集しています」

LINDA TOKYOさん「手作り作品の個人間売買を仲介する『ミンネ』というサイトでアクセサリー・雑貨を売っています。ロリポップキャンディーのブローチなど菓子のデザインの作品が多いです」

佐藤あいさん「企業などの依頼をネットを通じ引き受ける『クラウドワークス』という会社に登録しています。私は主に翻訳で、例えばシンガポールのニュースを1日3件ぐらい和訳する仕事をしています」

浅野幸枝さん「『スマートシッター』というサイトでベビーシッターを請け負います。登録すると私の略歴やスケジュールを保護者が見て、空いた時間に依頼が入る仕組みです」

■日程は自由、趣味を続けられる

――始めたきっかけは。

ヨウ「台湾出身で、ホテル経営を学ぶため米国の大学や日本の大学院に留学しました。日本でシェアハウスに住んでいて、夫と出会った。ホテル経営の知識を生かせることから、子どもができたのをきっかけに家を買ってシェアハウスを運営し始めたんです。外国人と交流したいと思い、始めたのがAirbnb」

LINDA「約10年アパレル業界で働き、職人の世界を見たくて食品サンプル会社に転職しました。サンプルにはファッション分野など様々な活用の可能性があると思います。ただ自分のアイデアを提案しても会社では簡単に通らない。個人でものづくりをしようと退職したんです」

佐藤「2年半ほどメーカーの貿易・営業事務をしましたが、妊娠・出産を機に退職。子育てが落ち着いたら復帰しようと考えていたところ、個人で仕事を引き受ける働き方があると知りました。家でできると思いアクセスしました」

浅野「去年、結婚をきっかけに東京に引っ越し、4年間ほど勤めた保育園を退職しました。しばらく専業主婦でしたが、子どもや保護者に必要とされてきたのが、家にいると誰にも必要とされない。主婦をしながら勤め先に縛られず、フリーでできるスマートシッターを見つけたんです」

ミンネで販売しているLINDA TOKYOさんのハンドメード商品

■実績作り、初めは苦労

――仕事を軌道に乗せる苦労はどうでしたか。

佐藤「ひとつの仕事が終わると、依頼者から5つ星で評価を受ける。高ければ次の依頼が来やすいので、実績づくりが大事です。最初は単価は関係なくもうからない。でも、できる仕事をする必要があります」

浅野「私が利用するスマートシッターも5つ星評価。初めは評価や実績がないから依頼は少ない。収入が安定せず、カフェでも働いていました。昨年11月に登録して、徐々に増えたのが今年3月頃。4月からは定期依頼の人が出てきて、カフェを辞めてベビーシッター1本に絞っています」

LINDA「私は登録後、お客さんの反応は早くて、今は月平均で100~150の注文が来ています。ただ、制作も配送の手配も自分で全部するので、1人だと大変ですね」

ヨウ「部屋を借りる人を集めるのに苦労はないです。ただ、自宅でアートなどのイベントを時折開いて、旅行者に楽しんでもらいます。この準備が大変」

■楽しくやる、夫も意識に変化

――家庭と仕事の線引きはどうしていますか。

佐藤「子どもが学校などに行って家にいない午前9時~午後2時が仕事の時間。集中して仕事をしています。でも子どもの冬休み、夏休みは仕事のペースが落ちるので、1カ月当たりのノルマを減らす。子どもが寝た後、1~2時間で終わらせています」

LINDA「私は子どもがいないので、夫の生活サイクルに合わせて仕事をします。朝と晩のごはんは一緒にとるので、夫の帰宅時間に合わせて仕事のスケジュールを考えます」

浅野「夫との食事は『時間が合うところで一緒に』。お互い、趣味などやりたいことは優先。彼は土日にシッターの仕事を入れるのもいいと言っています」

ヨウ「自宅に旅行者などがいるので家庭と仕事の線引きは24時間ない。私は楽しんでいて、娘も影響を受けている。夫はつらそうな時があったけど、最近意識が変わってきました」

■組織にはもう入らない

――将来も今の働き方を続けていきますか。

浅野「日程を自分で組み立て、趣味のフルートの勉強もやりつつ、働けます。ベビーシッターだと子ども一人一人に深く関われるので仕事の質としても自分に合っていると思います」

佐藤「当面、今の働き方を続けたい。なかにはネット受注だけで生計がたつ人もいるみたい。環境が快適なので、もう少し深めていってもいいなと思います」

LINDA「私は会社組織に入ることはもうない。ただ、作家の仕事は意外と孤独です。何かやりたいと思った人を巻き込み、横のつながりをつくれる場や組織ができればいい」

ヨウ「シェアハウスを大きくしたいですね。民泊は旅館業法などを考えるとグレーの部分があるから、きっちりと国が法整備してほしい。国籍や年齢関係なく人と交流できる場として、地元の活性化に役立てられればと考えています」

(押切智義、井川遼)

【上写真左から】
LINDA TOKYOさん(41) 手作り作品の個人間売買を仲介するサイト「ミンネ」を通じて、LINDA TOKYOの作家名で販売する。アパレル、食品サンプルの会社で働いてきた。「自分の発想を大事にしたいと思ったのが、主婦兼作家になったきっかけ」
ヨウ・リシェンさん(36) 空き部屋をネットで仲介するサービス「Airbnb」を使い旅行者に自宅の一室を貸し出す。日本人の男性と国際結婚。4歳の娘がいる。「旅行者とのふれあいが娘の教育にいいと考え、交流と私空間を考えて自宅を設計した」
佐藤あいさん(33) クラウドソーシングサイト「クラウドワークス」を利用。2児の子育て中。前職の貿易事務のスキルをいかし、翻訳記事などを執筆する。「美容やファッション記事は苦手で、ニュース記事は得意だと、自分が分かった。時間が掛かっても楽しければ続く」
浅野幸枝さん(27) ベビーシッターと預けたい親をつなぐサイト「スマートシッター」を利用する。昨年結婚し、自身の子どもはいない。元保育士の経歴をいかし、相手先の自宅を訪れ子どもを預かる。「子どもに関わる仕事をしたいけど、主婦の仕事も大事」

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