女性管理職、なってみたらこうでした 覆面座談会

2015/10/10

女性活躍推進の流れを受けて、管理職になる女性が増えている。昇進して間もない各社の女性課長らに管理職の悩み、おもしろさ、周囲の受け止め方などを本音で語ってもらった。

討論する参加者

――ずばり管理職になってよかったですか。悩みはないですか?

A(老舗メーカー)「女性だからとまつり上げられた感はある。時代だから仕方ないって思われている。まぁそうなんでしょうけど」

非効率な業務や伝統、変えられた

B(保険)「日々の業務で効率が悪かったこと、伝統的にやっていたけど必要のないことを変えていけるようになった。でも同じ役職の男性と意見が分かれるとき、接し方に気を使いますね。『こんなことあなたに言われたくない』とか思われたくない。違う部署の上司との会話にも気を使うな」

C(IT)「できることが広がった。部下をどう担当させ、最も効率的に仕事を進めるのか考えるのは楽しいです。ただ監視カメラでもつけたくなるような男性部下がいる。テレワークを悪用する人もいるし、キレやすい社員もいる」

D(広告)「うちの会社は今年、上級管理職の女性をまとめてつくろうと社長命令があった。本人たちは『急に言われても』って感じで、役員は『まだそんなレベルじゃない』。ただ周りでブツブツ言う人はいるけれど、本人たちは納得しているみたい。やってよかったと思います」

E(金融サービス)「子供がいる部下の管理が難しいですね。定時で帰してあげたいけど、仕事は終わらせたい。結局自分でやったり周りに振ったり。管理職になって勤務時間は増えた。効率的にやるワーキングマザーは見習いたいけど、時間の制約があるくせにコーヒーブレークに30分かける人にはカチンとくる」

F(新興メーカー)「女性部下に『そんな仕事できない』と言われたので別の人にその仕事を振ったら『居場所がなくなった』とやめてしまいました。ほかのやり方があったのかなとも悩んだけど、結局はそういう子はいつでもやめるんだと思い直した。女性は感情的に見えると思って感情を抑えていると、すごく強く見えるみたい。『いつ泣くんですか?』とか聞かれる。最近はある程度バカなふりをしたり、振る舞いを考えたりしています」

それぞれの意見を書いたボードを掲げてもらった

――女性上司は接しやすいですか?

F(新興メーカー)「私には女性上司はそんなにいないけれど、すごく気を使う。どう思われているか女性の方ががわかりにくいですね。男性は、こう言えば大丈夫というのがわかる。女性上司が社内ロビー活動とかをやっているのを見るとなんだかなあと思います」

女の敵は女 男性のほうが単純

E(金融サービス)「やっぱり女の敵は女。どう見ても私のことよく思ってない人はいます。男性のほうが単純。女性上司は結婚していないか子供がいない人が多いな。子育てをしながら働くということを理解できてない人、上っ面だけで言っているなって人も多い」

――みなさんの会社は女性の活躍推進が進んでいると思いますか?

A(老舗メーカー)「やろうとしているけど、まったく変わらないですね。古い軍隊制度に女性を入れようとしている。トップはそうでもないけれど、下のほうの役員層から30代後半男性の意識は本当にダメ。みんな頭ではわかっているけれど、気持ちがついていかなくて男性も苦しんでいるんでしょう」

これが私の思い!

――この先も働き続ける自信はありますか。何が課題でしょうか。

F(新興メーカー)「私はまだ20代で、この人というお手本があまりいなくて、自分がどんな選択をすればいいのかわからないのが不安。こんな働き方があるというのが若い人たちにもっと見えるようにしないといけない。いろいろな選択肢があって、それを選ぶとどうなるのかが見えないですね」

A(老舗メーカー)「日本の働き方は女性に向いていません。転勤を2週間前に言われるとか、同期が横並びで同じように出世するとか。そんな会社の制度は向いていない。もう全とっかえするつもりで、全部変えないとダメだと思います」

○×で答える質問も

E(金融サービス)「女性の意識も問題です。女性には何かあれば仕事はやめるという人がまだまだいる。小さいころからの教育次第だと思う。働き続けるのが普通になればいい。シッターを使うのも普通のことになればいい。女性がそれを普通だと思わないといけない。母親だから保育園に迎えに行かなきゃとか、夫にやらせるとかわいそうとかいっている人がいる。そういうのは啓蒙していかないと」

D(広告)「北欧へ視察に行きました。私は働く母親としてがんばっていると思っていたけれど、まだまだだなと思った。確かに彼女たちは午後4時に帰るし、土日はバカンスへ行く。でも仕事をやるときは本当にやる。海外出張だって行く。そのときは当然のように夫が子供の面倒を見る。私は子供が小さいときはさすがに出張とかは無理だと思っていた。あ、甘かったなと思いました」

C(IT)「男性にも変わってほしいですね」

会社の取り組みだけじゃ無理。男性に家事・育児の意欲がないと

できることは広がるけれど、悩みも深まる

C(IT)「会社は女性のモチベーション向上に取り組んでいるけれど、男性の家事・育児への意欲があがらないと。日ごろから妻に靴下をはかせてもらっているなんて部長が周りにいる。こんな夫を抱えて、女性が働くのは難しい。男性の啓蒙もしっかりして、男性も育休を当たり前にしないと」

B(保険)「社会環境が女性の活用を難しくしています。シンガポールには活躍している女性がたくさんいるけど、シッターがいるのも当たり前。こういう環境の違いは大きい。日本で待機児童なんていっているようじゃダメだと思う。仕事が大変だと思っている人に『人の助けを使っていい』と伝えたり、相談できるところを用意したりすることが重要だと思います」

(女性面副編集長・佐藤珠希、小河愛実)