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初心者でも疲れない山登り、三浦豪太さんがコツを伝授

2015/9/28

最初は経験者と一緒に登ってペースをつかもう(c)PaylessImages-123rf
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 エベレスト登頂経験もあるプロスキーヤーの三浦豪太さん。「初めての山登り」に役立つイロハのうち、今回は、初心者でも疲れない「登り方」と「下り方」のコツを伝授してもらった。

■一番気をつけなければいけないのは、最初の30分

――少し山登りをやってみたい気持ちがわいてきたのですが、できるだけ楽に登りたいとも思います。何か秘訣はありますか?

豪太さん 初心者の方は、山をよく知っている経験者と一緒に登ることをお勧めします。山登り経験がなく、体力がないことを伝えた上で、ゆっくりと先導してもらいましょう。1人で登ったり、経験が浅い者同士で登ったりすると、ペース配分が分からず、最初から“飛ばしすぎて”しまうので、想像以上に疲れてしまいます。

 結果、「登山はきつい、もういいや……」となり、リピーターにならずに終わってしまうケースが多いんです。周囲に経験者がいなければ、山登りのイベントや教室に参加してみるのも一つの手かもしれません。

――うっ、確かに身に覚えがあります……。

豪太さん 山登りで一番気をつけなければいけないのは、最初の30分です。最初の30分に速く登り過ぎると、途中で必ずペースが落ちます。50分間継続して歩けないようだったら、そのペースは自分にとって速すぎるという合図です。

――スピードの目安はありますか?

豪太さん 「ペチャクチャと会話ができる」速度ですね。それがその人の体力レベルに合ったスピードだと思ってください。息切れして話すこともできない、というときはペースを緩めましょう。

 最近は、心拍計(ハートレイトモニター)や、心拍数を計測できるタイプの腕時計などがあるので、できればそれらを使って心拍数(1分間の拍動数)を計り、自分の疲労度合いを知ることをお勧めします。

■目標心拍数の目安を知っておこう

豪太さん 登山で目標にしたい心拍数(ターゲット心拍数)は、「180-自分の年齢」で計算できます(マフェトンの公式)。

登山時のターゲット心拍数(/分) = 180-自分の年齢

 ただ、これは目安なので、体力に自信がない人、病み上がりの人などは、ターゲット心拍数から「-5~-10」の緩めのペースに設定し、普段から何らかのトレーニングを積んでいる人は「+5」で計算してみてください。40歳の人なら、1分間の心拍数130~145が目安になります。私は、上りのときは130くらいを目安にしています。

 とはいえ、初心者がいきなり心拍計を用意するのは大変です。もっと手軽に心拍数を計るには、私が実践している「6秒計算法」がお勧めです。

――それはどういったものですか?

豪太さん 計測方法と計算式はいたって簡単。首の動脈に人さし指と中指を当て、時計を見ながら6秒間の心拍数をカウントするんです。それを10倍するだけで、1分間の脈拍が分かります。

――なるほど! それなら私にも簡単にできそうです。

豪太さん その人の体格や筋肉の違いによって、ベストなピッチやストライドも変わるので、「これが理想の登り方」と一概には言うことはできません。同じ歩幅、ストライドで登れる状態が維持できるようなスピードを意識することが、登山初心者には一番大事です。

■楽に登りたかったら「ウサギ戦法」より「カメ戦法」

――山登りでは、途中で休んでもいいのでしょうか?

豪太さん もちろん。特に登り始めは、体が温まってきて汗も出てきますので、30分で一度休憩して、衣服を調整するといいでしょう。その後は、50分登って10分休む、というペースを目安にしましょう。

 登山はスピードを競う競技ではないので、「ウサギとカメの法則」でいいんです。速いスピードで歩いて30分ごとに休む「ウサギ戦法」か、ゆっくり会話しながら歩いて50分ごとに休む「カメ戦法」のどちらが疲れにくいかといったら、後者。「あれ、もう50分たったの?」と時間の経過を短く感じ、結果的にラクに登ることができます。マイペースな性格の方ほど、登山との相性はいいでしょう。ただ、猛暑など気候の変化に応じて、休憩を増やし、頻繁に水分補給するなどの対応は必要になります。

――休憩するときは、腰を下ろしていいんですか。座らない方がいい、という説も聞いたことがあるのですが……。

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