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舞妓さんは京都の特別な存在、予約で会える店も

2015/8/26

京都には、江戸時代にタイムスリップしたかのような花街文化が今も息づく。花街のいろはを教わった。

京都を訪れる観光客の憧れの存在、舞妓さん。町で、稽古や座敷に向かう舞妓に出会うと、それだけで気分が高揚する。

舞妓こそ、京都の花街の特徴だ。東京や金沢の花街にも芸妓(芸者)はいるが、舞妓はいない。その名の通り、宴の場で舞を披露する女性のことで、5年ほどの修業を経て、一人前の芸妓になる。

あでやかな着物にだらりの帯、自毛で結う日本髪は、舞妓独特のスタイル。おとなの女性になる前の少女らしい、愛らしさが持ち味だ。

舞妓が客をもてなすお茶屋の起源は「室町時代中期頃にできた門前の茶店。それが茶を振る舞う女性を置く茶屋になったといわれます」(花街の歴史に詳しい弘道館の太田達さん)。

京都に5つある花街のうち、最古の上七軒(かみしちけん)は、「足利義政から義稙(よしたね)の時代にできた7軒の茶店。そこでみたらし団子でもてなされた豊臣秀吉が喜び、茶屋株を公許したのが始まりとされる」。

以来、京都はその華やかな花街文化を引き継ぎ、今もとどめている。

■舞妓さんのココに注目

市まりさん(Ichimari) 上七軒の舞妓。広島県出身。中学卒業後、お茶屋「市」で舞妓修業を積み、2009年に正式に舞妓デビュー。座敷の時間までは、舞、三味線、茶道など日々稽古に励む。趣味は宝塚観劇と歌舞伎鑑賞。
全長約6mもあるだらりの帯。その一番下には、置屋の家紋が記される。幼い舞妓が迷子になっても帰れるように紋を入れたとされる

かんざしのなかでも一番華やかな花かんざしは、1月は松竹梅、4月は桜や蝶など、季節を表す花や風物に毎月替わる
白塗りをした舞妓の美しいうなじにも注目。普段は2本の襟足だが、正月など黒紋付きを着る正装時には、これが3本になる
舞妓の帯留めは「ぽっちり」と呼ばれ、一般のものより大きく豪華。置屋に代々伝わる貴重なものが多く、銀や象牙、珊瑚(さんご)、翡翠(ひすい)などが使われている

■京都のお茶屋について4つの疑問

(1)お茶屋ってそもそも何?

置屋などから芸妓や舞妓を呼んで、座敷を提供する店。料理は近隣の料理店から取り寄せる仕出し。最近は、芸妓・舞妓を抱える置屋を兼ねたお茶屋も多い。なじみ客に対しては、旅館やチケットの手配などコンシェルジュ的なサービスも担う。

(2)どこに何軒くらいあるの?

京都には祇園甲部、宮川町、先斗町(ぽんとちょう)、上七軒、祇園東、という5つの花街がある。そのいずれにも、江戸時代から続くお茶屋が今も存在する。江戸末期の全盛期には500軒近くあったとされるが、現在は五花街合わせて140軒弱になった。

(3)どんなもてなしを受けられる?

好みや予算に沿った料理や酒が用意され、2~3時間の宴会の間中、芸妓・舞妓たちがお酌や会話でもてなしてくれる。食事の合間には、芸妓・舞妓が舞や唄、演奏などを披露するほか、お座敷遊びと呼ばれる簡単なゲームで、宴の場を盛り上げる。

(4)やっぱり「一見さんお断り」?

なじみ客の紹介がなければ入れないのが、京都のお茶屋。今もそのルールが守られ、素性の確かな人しか出入りしないから、社交場として安心して利用できるのだ。一般的にはツケ払いなので、信用のない一見(いちげん)客は断られる。

■シークレットなお茶屋の中に潜入


上七軒は祇園などに比べ規模は小さいが、京都最古の伝統ある花街。そのお茶屋の一軒、「市」の中を案内してもらった。

瀟洒(しょうしゃ)な座敷には、季節感ある軸や花が飾られる。テーブルと椅子を用意するなど、今の時代に沿ったもてなしを整える。しっとりとした照明のもと、仕出しの料理や芸妓・舞妓の芸を楽しむ。

■一見さんでも舞妓に会えるチャンスはある

(1)料理屋に舞妓を呼ぶ

上七軒の割烹「文楽」など、各花街にある料理店や旅館に芸妓・舞妓を呼んでもらうのは一見でもOK。予約の際に、予算などを伝えて相談するといい。

(2)歌舞練場のビアガーデンで飲む

上七軒の歌舞練場の日本庭園では、毎年7月1日から9月5日まで一般客も利用できるビアガーデンを開く。そろいの浴衣を着た芸妓・舞妓6人が毎夜もてなしてくれる。

(3)五花街合同公演を見に行く

京都の五花街の芸妓・舞妓約80人が南座に集って舞う、年に1回の華やかな公演。チケットはコンビ二でも購入できる。2015年は6月27、28日に開催された。

割烹 文楽(京都市上京区真盛町743)
上七軒の歌舞練場の日本庭園では、毎年7月1日から9月5日まで一般客も利用できるビアガーデンを開いている。 上七軒歌舞練場(京都市上京区真盛町742) 

五花街合同公演は芸妓・舞妓約80人が南座に集って舞う、年に1回の華やかな公演

(ライター 中井シノブ、写真 内藤貞保)

[日経おとなのOFF 2015年5月号の記事を再構成]

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