新型「ラズベリーパイ2」で超かんたん電子工作
5000円台と安価な、手のひらサイズのコンピューター「ラズベリーパイ」が人気だ。2015年2月には性能を高めた新製品「ラズベリーパイ2」が登場し、ウェブサイトの閲覧などもストレスなくできるようになった。
ラズベリーパイは、電子工作にも活用できるのが普通のパソコンと違って面白いところ(図1)。
基板上にあるピン状の入出力端子にLEDやスイッチ、モーターなどの電子部品を接続し、プログラムを使って制御できる(図2)。電子工作といっても、はんだ付けは不要。制御プログラムも簡単に作成できるので、初めて電子工作に挑戦する人にぴったりだ。
まずは専用OSをインストール
ラズベリーパイ2の本体はネットショップで購入できる。本体のほかに、ディスプレー、キーボードとマウス、マイクロSDカード、USB電源アダプターなどを用意しよう。ラズベリーパイには、専用の「ラズビアン」というOSをインストールする(図3)。
ラズビアンの導入ツールは、公式ウェブサイトで入手できる。まずパソコンで「NOOBS」というツールをダウンロードし、圧縮ファイルを展開する。次に、展開したすべてのファイルを、フォーマットしたマイクロSDカードにコピーしておく。カードをラズベリーパイのカードスロットに挿し、ディスプレーなどの機器を接続して電源を入れよう。
インストーラーが起動したら、ラズビアンをインストールすればよい。これで、次からラズベリーパイの電源を入れると、ラズビアンが起動するようになる。
インストール後に設定画面が表示されたら、日本語環境に設定を変えておこう。すべて完了したら、キーボードから「startx」と入力すると、ラズビアンのデスクトップ画面が表示される。あとは、ウィンドウズと同様にマウスで操作できる。
ラズベリーパイを再度起動したときは、ログイン画面が出て認証を求められる。この際、ユーザー名に「pi」、パスワードに「raspberry」と入力すればログインできる。ユーザー名とパスワードは、後で変更しよう。
電子部品を"挿すだけ"で作れる
電子回路をプログラムで制御するには、グラフィカルなプログラミング言語の「Scratch」(以下スクラッチ)を使おう(図4)。プログラムを書く代わりに、ブロックの形をした命令をつなぎ合わせるだけでプログラムを作成できる。
ただし、今回のように外部の電子回路を制御するには、制御用ソフトの「ScratchGPIO7」が必要。次の手順で導入しよう。
まず、ラズビアンのデスクトップ画面左上の「Menu」ボタンから「アクセサリ」→「LXTerminal」を選択。コマンドを入力して操作できる端末ソフトが起動したら、図5のように入力する。デスクトップに作成された「ScratchGPIO7plus」をダブルクリックすると、電子回路を制御可能なスクラッチが起動する。
ラズベリーパイの準備ができたら、「スイッチを押すとLEDが一定時間光る回路」を作ってみよう(図6)。電子工作をするには、電子部品を準備する必要がある(図7)。初めての人には、自由に配線できる「ブレッドボード」と「ジャンパー線」がお薦め。ブレッドボード上にはたくさんの穴が開いており、ここに電子部品やジャンパー線などを挿すだけで回路を作れる。
部品の用意ができたら、LEDとタクトスイッチ、抵抗を図6の回路図通りにブレッドボードに挿していく。ブレッドボードとラズベリーパイは、ジャンパー線で接続する。接続する外部入出力端子は決まっているので、間違えないようにしよう。
LEDを点灯させるプログラムの作成については、次回紹介する。
(ライター 福田和宏)
(日経PC21 2015年9月号の記事を再構成)
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