「U-23」女優、続々抜てき 学園・恋愛ドラマ活況

23歳以下の「U-23」女優など新世代女優シーンが注目されている。ドラマ、映画やCMなどで抜てきが相次ぎ、世代交代が進む。「きれい」で「活発」など、ビジュアルとキャラクターのイメージを組み合わせたタイプが幅広くそろうのが特徴。さまざまなニーズに対応できるため、シーンは今後、大きなうねりとなって広がりそうだ。

2015年に入ってから、多くの芸能事務所関係者が「若い世代の女優の勢いが出てきた」と語るようになった。ここ5年ほどは女性アイドルグループに押され気味だったが、13年に放送された連続テレビ小説(朝ドラ)の「あまちゃん」に能年玲奈(22)、橋本愛(19)、有村架純(22)、松岡茉優(20)らが出演。ヒロインひとりだけでなく複数の若手女優が脚光を浴び、有村が朝ドラ終了後も多くのCMに起用されたことが、若手女優シーンの盛り上がりの起爆剤になった。

加えて14年にリクルート「ゼクシィ」などのCMに立て続けに起用された広瀬すず(17)が、15年1月クールの「学校のカイダン」で連続ドラマに初主演して知名度が急上昇した。4月スタートの朝ドラ「まれ」では「鈴木先生」などのドラマで活躍した土屋太鳳(20)が主演。同じ4月クールは松岡も「She」で連ドラに初主演した。WOWOWで放送された連続ドラマ「夢を与える」は映画「渇き。」で脚光を浴びた小松菜奈(19)が主役だ。

最近はドラマで若手女優を起用する場合は深夜ドラマからというのが通例になっていただけに、広瀬がいきなりのプライムタイム(午後7~11時)の連ドラ主演に起用されたのは大きな話題を集めた。この傾向はこの夏も続き、7月スタートの「表参道高校合唱部!」の主役にはデビュー3年目の芳根京子(18)が大抜てきされている。

7月クールはこのほかファッション誌「セブンティーン」の看板モデルでもある西内まりや(21)が「ホテルコンシェルジュ」でプライムタイムの連ドラ初主演をつかんだ。「恋仲」では本田翼(23)が初の“月9”ヒロインに挑戦。また人気グループ「KARA」の元メンバーで、昨年から日本での女優活動を始めた知英(ジヨン、21)も、池井戸潤原作の深夜ドラマ「民王」のヒロインに挑む。

映画では、3~4月に前後編の2部作で公開された「ソロモンの偽証」に新人の藤野涼子(15)が役名で主演デビュー(現在は学業専念のために休業中)。春からキリンビバレッジ「生茶」のCMにも起用された清野菜名(20)は7月公開の「東京無国籍少女」で初主演した。

若手女優界は有村らU-23(21~23歳)勢がシーンの核になり、土屋らのU-20(19~20歳)、広瀬らのU-18(18歳以下)が追撃する構図になった。この世代の女優を、ビジュアルとキャラクターのイメージから分類したのが左図だ。23歳以下の世代には幅広いタイプの女優がいることが分かる。

こうして若手女優が活躍するようになった背景には、世代交代のバトンが渡される時期になったことが挙げられる。女優は20代後半に近づくと学生役を演じる機会が減り、役柄の変化に合わせてイメージも変化する。ドラマや映画の主演で主導権を長い間握ってきた新垣結衣、石原さとみ、北川景子、堀北真希ら1986~89年生まれの女優たちが20代後半に差し掛かった今、新しい時代の担い手として若手女優への期待感は大きい。

流行語になった“壁ドン”のブーム以降は「アオハライド」「ストロボ・エッジ」など学園を舞台にしたコミック原作映画が相次ぎヒットし、ドラマでも恋愛ものが増えている。制服姿の学生役を演じるフレッシュな女優の需要は、これまで以上に高まっていると言えそうだ。

(「日経エンタテインメント!」8月号の記事を再構成、文/高倉文紀)

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