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エンタ業界、データで見る上半期のヒット作傾向分析 日経エンタテインメント!

2015/7/16

 2015年上半期で一番高視聴率だったテレビドラマは? 人気映画は? 半年間にどんなエンタテインメントがヒットし、どんな現象が起こったか。セールスや視聴率のデータから、読み解いてみよう。

■テレビ 上位はNHKとテレ朝がほぼ独占

「マッサン」 14年10月~15年3月放送。国産ウイスキーの開発に人生を費やした国際カップルの奮闘記。朝ドラ初の外国人ヒロイン。

 連続ドラマ上位3本は昨年上半期と同じ「NHK連続テレビ小説」と『相棒』。ここに沢村一樹の『DOCTORS3』が続いた。テレビ朝日はランクインした本数こそ昨年の上半期と同じだが、木村拓哉の『アイムホーム』を含めると、トップ5の3本を占め、勢いを見せた。

 一方、数を減らしたのがフジテレビで、昨年上半期の6本から4本に。『デート』のようにV字回復した作品もあるが、厳しい結果だ。

 フジに限らず全体的に平均視聴率は下落傾向にある。昨年に比べ、今年は1%程度下がっており、9%台も20位に入る状況に(昨年上半期は0本)。もはや「1桁ドラマ」は一概に不発と言えなくなっている。

 ランクインした作品のジャンルは一見多岐だが、「やり直しの人生」というキーワードも見て取れる。切り口は違えど、『アイムホーム』『○○妻』『銭の戦争』『流星ワゴン』などがそう。ドラマをよく見る大人世代の願望か。

対象期間・2015年1月1日~5月17日。8時から23時15分に放送時間がスタートする、15分以上の日本の連続ドラマ(3週以上)。ビデオリサーチ関東地区のデータを基に平均を算出。小数点第2位以下は四捨五入。放送時間拡大による加重平均はしていない。
数字は2015年5月17日現在

■映画 ディズニーと定番アニメがランキング上位を占める

 1位はディズニーアニメ『ベイマックス』、2位は『映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!』。正月興行をリードしたアニメ映画がトップ2を独占した。トップ10作品の特徴は、ディズニーと定番アニメのファミリー向け作品が上位を占めたこと。定番アニメは『名探偵コナン 業火の向日葵』『映画 ドラえもん のび太の宇宙英雄記』『劇場版 ドラゴンボールZ 復活の「F」』が強かった。

 そして特筆すべきが『シンデレラ』『イン・トゥ・ザ・ウッズ』とディズニーの実写だ。ディズニー作品は、昨年のアニメ『アナと雪の女王』の大ヒットをきっかけにブランド力が高まっている。『シンデレラ』はさらに伸びそうだ。

 洋画の実写で、ディズニー作品に負けずにヒットしたのが人気カーアクション映画最新作『ワイルド・スピード SKY MISSION』。7作目にしてシリーズ最高の興行成績を上げている。

■音楽 シングルは嵐、アルバムは三代目JSBが圧倒的な首位

 シングルで20万枚を超えたのは、ジャニーズとAKB48、乃木坂46のみで、2010年以降同じ傾向。そのなかで、9位のBUMP OF CHICKENと10位のB’zが健闘。BUMP~は、2種のライブの映像収録DVDやチケット購入応募券付きなど趣向を凝らした。B’zはアルバムも4位となり根強い人気を見せた。

 アルバムでは、三代目J Soul Brothersがダントツで、75万枚を超え前作の2倍以上。走っているようなダンスステップ「ランニングマン」が話題の『R.Y.U.S.E.I.』のヒットや、メンバーの俳優業など話題が豊富。2位のSEKAI NO OWARIは初の50万枚突破。アルバムは、サザンオールスターズのようなベテランから、若手のダンスグループやバンドなど多彩だが、5000円以上の豪華盤の発売が上位10作中6作と過半数で、高額化が目立つ。

サウンドスキャン(2014年11月24日~15年5月17日)のデータより。パッケージが複数ある場合は、セールスを合算した。
オリコン調べ(oricon.co.jp)集計期間:14年12月1日~15年5月10日。売上部数は集計期間内推定。「オリコン2015年上半期“本”ランキング」とは集計期間が異なる。またムック、ゲーム関連本などを除いている。

■本 フランス流生活スタイル本が1位、本屋大賞・直木賞本も

 1位『フランス人は10着しか服を持たない』は米国人女性がフランス貴族の家にホームステイして学んだことを書いたライフスタイル本。おしゃれな「断捨離」を思わせるタイトルや、「間食はシックじゃない」「ノーメイクみたいにメイクする」といった内容が女性読者に支持された。

 4位『夢をかなえるゾウ3』、5位『嫌われる勇気』、6位『お金がたまるのは、どっち!?』など、広い意味での実用書や自己啓発本は15年上半期も手堅く売れた。

 文芸書では2位の『火花』がランキングトップ。お笑い芸人の書いた小説だが、文学作品としての高い評価を受けて、読者層が広がった。8位・13位の『鹿の王』、12位の『サラバ!』はそれぞれ本屋大賞、直木賞の受賞作。受賞本の強さを示す結果となっている。

(ライター 木村尚恵、相良智弘、つのはず誠、日経エンタテインメント! 高宮 哲)

[日経エンタテインメント! 2015年7月号の記事を再構成]

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