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冷たいウーロン茶の熱い商戦 国内農家にも恩恵

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NIKKEI STYLE

成熟市場だったウーロン茶飲料に今春、新製品が続々と登場した。国産茶葉の使用や特定保健用食品(トクホ)対応など、大手飲料各社が新商品を投入し商戦が活気づいている。生産農家の高齢化で生産量が頭打ちの国内のお茶産業の浮揚効果も期待されている。

ウーロン茶市場、2001年ピークに下降トレンド

ウーロン茶市場は無糖茶市場の中で15%のシェアを占める。緑茶はキリンビバレッジの「生茶」や日本コカ・コーラの「綾鷹」など味わいにこだわった商品がヒットする中、ウーロン茶は新味を出せずファン開拓に苦戦していた。緑茶だけでなく、麦茶やジャスミン茶にもファンが流出する傾向が続く。日本コカ・コーラの調べによるとウーロン茶市場は2001年をピークに下降トレンドになった。

ウーロン茶でも味わいを高められないか――。ポッカサッポロフード&ビバレッジと日本コカ・コーラが出した答えが国産茶葉の活用だ。両社は3月に相次いで国産茶葉を原料にしたウーロン茶を発売した。日本の緑茶もウーロン茶も発酵度合いの違いだけで、じつは茶葉は同じ。国産茶葉を使うことで味の微妙な調整がしやすくなるメリットがあるという。

ポッカサッポロフード&ビバレッジは3月9日に「にっぽん烏龍」(500ミリリットルペットボトル入り、税抜き124円)を発売した。「日本の茶葉は(中国の茶葉と)原種は同じだが、品種改良が進んでおりアミノ酸などうまみ量が多い」。茶葉を国産にした理由について商品戦略統括部飲料戦略グループの鶴谷哲司マネージャーは話す。

鹿児島県の屋久島産の茶葉を10%、静岡産の茶葉を90%使っている。産地まで明確にすることで消費者に安心感を与える。「(2020年の)東京五輪を控え、国内回帰の流れがある」(鶴谷さん)とみる。政府が旗振り役で食料自給率向上に向けた消費拡大の取り組み「フード・アクション・ニッポン」にも参加、マークをラベルに印刷している。国産を強くアピールする。

日本コカ・コーラが3月16日に発売したのは「つむぎ」(500ミリリットルペットボトル入り、税抜き140円)。茶葉の加工、発酵といったプロセスをすべて日本で作業する。国産茶葉に日本の技術を組み合わせた。福江晋二マーケティング本部ティーカテゴリーバイスプレジデントは「味わいを達成するためにたどりついたのが国産茶葉を100%使用することだった」と話す。

国産ということで食の安心・安全という点に注目が集まるが、「開発の出発点は味わい重視だった」(福江さん)という。甘みを加え後味よく飲みやすくした。試作は150種類以上に及んだ。「コンセプトは良かったが、最初に試飲してだめかな、と思ったこともある」と福江さんは振り返る。半発酵の度合いと焙煎状態。それぞれ膨大なパターンを組み合わせて今の味にたどりついた。

国産茶葉使用で値崩れせず

国産と輸入茶葉のコストの違いはどうだろうか。各社は明確にはいわないが、やはり国産茶葉のほうがコストがかかるのは間違いなさそうだ。ポッカサッポロの「にっぽん烏龍」は税抜き124円と従来の同社製品に比べ9円高くなった。消費者にも価値が理解されているようで、それぞれ高めの価格でも値崩れがない。

伊藤園が4月13日に発売した「黄金烏龍茶」(500ミリリットルペットボトル入り、税抜き150円)は体に脂肪をつきにくくするトクホ商品だ。茶カテキンは食事中の脂肪の吸収を抑えて排出を増加させる。茶カテキンのなかでも脂肪の吸収を抑えるガレート型カテキンを90%含む。キンモクセイのような甘い香りが特徴の黄金桂に、濃厚な味わいが特徴の鉄観音を加えた。華やかな香りとすっきりとした後味に仕上げた。

小笠原嘉紀マーケティング3部麦茶・紅茶・健康茶ブランドマネージャーは「市場に500ミリリットル入りのトクホはほどんどなかった。スーパーやコンビニエンスストアの売り場の棚を確保する点でも500ミリリットルは必要だった」と話す。「黄金桂や鉄観音は(国産茶葉と比べ)香りが明らかに違う」とし、価格もトクホ茶のライバル商品に比べ10~20円程度安くした。継続して飲んで効果が出るというトクホの性質上、固定ファンを獲得しそうだ。

大型商品が相次ぎ登場、新しいファンを獲得

各社の出足は好調のようだ。日本コカ・コーラの「つむぎ」は5月中旬までに2000万本以上販売した。目標を上回るペースだ。ポッカサッポロの「にっぽん烏龍」も従来の同社ウーロン茶商品と比べ3月以降単月で前年同月比30%を上回る販売で推移する。伊藤園の「黄金烏龍茶」も「発売以来、2カ月間で年間計画の半分以上を発売した」(小笠原さん)という。

「ウーロン茶の消費者は男性がメーンだが、『家庭で飲むのにちょうどいい』と女性も増えてきた」(日本コカ・コーラの福江さん)。「苦い」、「渋みがある」という理由で苦手な人もいるウーロン茶だが、大型商品の相次ぐ登場で、新しいファン獲得も期待されている。ここ数年、国内の茶葉の生産量は横ばいが続く。農水省によると14年度の荒茶生産量は8万3500トンで前の年度に比べ2%減少した。「消費者から国産茶葉を使う取り組みを評価する声が多い」(ポッカサッポロ)。元気がなかったウーロン茶市場が盛り上がれば国内の茶葉生産の活性化にもつながりそうだ。

(村野孝直)

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