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あすから仕事! 連休最後に、ゆる~い話をどうぞ

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NIKKEI STYLE

 ゴールデンウイークはいかがお過ごしですか。お休みなのでごく気楽な話をします。プラクティカルジョークという言葉があります。直訳すると「実践的冗談」、いわゆる「いたずら」の類いには楽しいものがあります。

大型連休ともなると民族大移動といわれるように、我々はこぞってどこかに行くものです。高速道路は渋滞だらけでターミナル駅も空港も人でいっぱい。それでも移動の苦労こそありますが、実際に足を運んだ先では、素晴らしい景色やご当地ならではの味覚を堪能できるし、何よりも嬉しい出会いがある。間接ではなく直接の体験=ライブの醍醐味です。

私は落語にもそんな味わいを取り入れたいと、ひそかに画策しています。落語という仮想空間や客席にとどまらず、日常生活の現実として追体験できるような仕掛けを組み込みたいと。たとえば古典落語「百川(ももかわ)」はかつて実際にあった高級料亭を舞台にしていて題名にもなっているのですが、いまでは残念ながら存在しません。そこで時代を現代に置き換えて叙々苑六本木店での話にしています。また、有名な落語「時そば」では都内に実在する立ち食い蕎麦屋さんを印象的な形で引き合いに出しています。

これは、落語を聴いた方がその店を訪れてみるのも当然楽しいのですが、さほど積極的でなくてもただ何気なくその店の前を通りかかっただけで「あ。確か、あの落語の!」と思いだしてちょっと楽しい気分になる。そんな仕掛けです。

本題のプラクティカルジョークの話をします。これは言葉で伝える面白さではなく、ライブで楽しむ冗談行為です。

一例を挙げます。相手は友だちです。

「ゲシュタルト崩壊って言葉知ってる? 人間は単純な繰り返し行為を続けようと思っても、急にそれができなくなる瞬間がくるんだって。実験してみる?」

手刀にした右手を、身体の前で縦に何度も振らせます。あなたは「前へならえ」のように両手で彼の手刀の両側に壁を作ります。

「この手に触らないように上下に動かして。同じリズムで。そう。じゃあ、これを50回。目をつぶってできるか、やってみて」

彼が目をつぶったところで、あなたはそっとその場を離れる。ややしばし。50回を数えた彼が目を開くと、自分は奇妙な動きを続ける不審者になっていたと気づくという寸法です。ちょっと意地悪。

同級生のべーだい(あだ名です)は、この天才でした。

ある日の放課後、帰宅しようと友だちと自転車置き場に行きました。すると、友だちの自転車に異変が。なんとサドルだけがなくなっているのです。

「ふざけんなよ!冗談じゃねえよ!」

サドルのない自転車を前にして途方に暮れる友だちに、べーだいが声をかけます。

「ひどいやつがいるもんだよな。よかったら、これ使う?」

カバンから取り出したのは、サドル。

目先の笑いのために、労を惜しまない。素晴らしい姿勢ですw。

べーだいのプラクティカルジョークはまだあります。同じ自転車置き場で、時間も同じく放課後。今度は先生が相手です。

先生が帰ろうとしますが、止めておいたはずの原付きバイクが見当たりません。きょろきょろとあちこちを見回す先生。

「おっかしいなあ。バイク、なくなっちゃったよ。まさか盗まれたかな」

そこに、べーだいが。

「あれ、ひょっとして先生のバイクじゃない?」

指さしたのは、上。自転車置き場のひさしの上にバイクが横たわっていました。

えっちらおっちら持ち上げている様子や、たぶんその後に先生とべーだいがバイクを下ろすときの様子だとか。想像するだけで面白い。

先生のバイクではもう一つありました。これはちょっとしたいたずらです。

バイクの後部にあるナンバープレートの下半分を直角に折り曲げる。これだけです。気が付くと自分のバイクが暴走族っぽくなっている。学校の先生としては不本意です。そんなバイクには乗れないし、学校内の駐輪場に停めてある様子からしてよろしくない。先生はプレートを手でぐいっと元に戻します。

そしてまた翌日もプレートが曲がっています。先生、戻す。また曲がってる。戻す。また曲がってる。戻す。最後にはナンバープレートがパキッと半分に折れちゃった。わはは。べーだいは名乗り出て先生に謝ったそうです。

「やっぱりおまえか!」w

ちょっとした遊び心で日常生活が楽しくなる。プラクティカルジョークは魔法のスパイスです。しかし、一歩間違えると単なる迷惑行為になってしまいます。くれぐれもご注意下さい。

さて、明日からまた仕事です。頑張りましょう!

(次回は5月20日の更新予定)

立川談笑(たてかわ・だんしょう) 1965年、東京都江東区で生まれる。海城高校から早稲田大学法学部へ。高校時代は柔道で体を鍛え、大学時代は六法全書で知識を蓄える。予備校講師など様々なアルバイトを経験し、93年に立川談志に入門。立川談生を名乗る。テレビの情報番組でリポーターを務めながら芸を磨く。96年に二つ目昇進、2003年に談笑に改名。05年に真打ち昇進。古典落語をもとにブラックジョークを交えた改作に定評がある。十八番は「居酒屋」を改作した「イラサリマケー」など。
<今後の予定>都内での独演会5月13日、6月13日、7月14日、吉笑(二つ目)、笑二(同)、笑笑(前座)の弟子3人とともに武蔵野公会堂(東京都武蔵野市)で開く一門会5月29日、6月27日、7月26日の予定。
立川談笑HP http://www.danshou.jp/ 

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