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イライラ、もやもや…ネガティブ感情は「クセ」になる

2015/4/29

日経ウーマン

「イライラして人に当たってしまった」「いつも不安を抱えている」という人はいませんか? 心の疲れを放置したままだと肩や首のコリのごとく、心の中に根強い“コリ”が生じてしまいます。ネガティブ感情のスパイラルに陥る前に、早めのリセットを心がけましょう。心のコリの正体と解消法を紹介します。

■感情の揺れは自然なもの気負わず上手に付き合おう

「以前より、坐禅に訪れる30~40代の女性が目立ちます。ストレスを抱えて苦しむ人が増えているのだと思います」と話すのは、禅僧で神奈川県横浜市にある建功寺住職の枡野俊明さん。職場で無理に感情を抑え込むことで消耗したり、将来不安が大きかったり。心の疲れを手放せずに抱え込んでしまいがちだ。

「ストレスを受けて感情が揺れるのは自然なこと。生きている証拠です」と枡野さん。ネガティブな感情は、受け流したり手放したりできれば“増殖”することはない。しかし、ためこむと、次第に心に焼き付いてしまい、疲れを通り越して、心の“コリ”となってしまう。この心のコリが、「イライラして人に当たる」「いつも不安を抱えている」といった、人それぞれの“疲れグセ”となって表に出てくる。心理学博士の山口まみさんは「ネガティブな感情が朝になっても消えないのは、疲れが“コリ化”している証拠」と話す。

どうすればネガティブな感情を上手に解消できるのか。山口さんは「嫌な感情から目を背けないこと」と説く。

例えば「怒り」。「不当に扱われたと感じると、怒りが湧くのは自然なこと。『怒り』のおかげで問題に気づき、対策を講じることができるのです」(山口さん)。当然、怒りを人にぶつけるのは、正しい解消法ではない。まずは怒りの正体を知り、受け止めること。「なぜ、自分は怒っているか」を紙に書き出したり、声に出してみたりするといい。「さらに、怒ることのメリットとデメリットを挙げる。感情を客観的に見られて、それだけでも、凝り固まった感情が緩むはずです」(山口さん)

一方、枡野さんは、日々の生活で所作(動き)や言葉遣いを変えていくことを提案する。「心に余裕がなくなると、所作も言葉も雑になる。仏教では、心と言葉と所作は三位一体と考えます。靴をそろえたり、丁寧な言葉遣いを心がけたりすれば、自然に心が整うのです」

時には「逃げ場」をつくることも大切だ。「階段の踊り場で一休みするように、旅行に出たり、自然観察を楽しんだりして、意識して心を休めましょう」(枡野さん)。心の疲れは上手に対処すれば怖くない。次の3つの疲れグセを例に、解消法を見ていこう。

~働き女子がクセになりやすい心の疲れ3つのタイプ~

【1】イライラグセ
こんな人に多い
・人に嫌われるのが怖くて「ノー」と言えない
・相手に期待しすぎる
・自分と他人とを比較する

■イライラのもとは、自己中心的な考え方

人に「よく見られたい」という気持ちから、無理に仕事を引き受けたり、飲み会の誘いを断れなかったり…。自分をコントロールできなくなり、心身共に疲れて周囲に当たってしまう。また、人に「こうしてほしい」と期待したのに、相手が思い通りに動いてくれなくて失望。「なぜできないのか」という気持ちがイライラに変わる。

→解消アドバイス

「人を思い通りに動かそうと思わないこと。相手のペースを尊重すればイライラは減っていくはず」(枡野さん)。「イライラは相手への“期待”が裏切られることで起こるもの。相手に過剰な期待や『こうあるべき』という要求をしていないか見直してみましょう」(山口さん)

【2】不安グセ
こんな人に多い
・「失敗したくない」と思っている
・「こうあらねば」という思い込みが強い

■初めは小さかった不安がどんどん膨らんでいく

「以前の失敗をまたやってしまうのでは」「リストラされたらどうしよう」……。不安や心配事があるのは生きている証拠。順風満帆に見える人だって不安を抱えている。そう受け止められればいいけれど、悪いほうへ悪いほうへと考えが進んでしまい、不安がどんどん膨らんでしまう。情報量が多すぎることも、不安をあおる要因に。

→解消アドバイス

「先のことは、そのときになって考えればいい。闇は人を不安に導くので、夜はあれこれ考えず、穏やかに過ごしましょう」(枡野さん)。「自分が唯一コントロールできるのは今だけ。今を大切にして、やれることを精一杯やると、自然と不安もおさまるはず」(山口さん)

【3】うつうつ、もやもやグセ
こんな人に多い
・自分に自信がない
・「評価してほしい」と 感じている
・頭の切り替えが苦手

■1つの思いにとらわれて動けなくなっている

「この仕事で失敗したらおしまい」などと、いつもびくびく。緊張の連続で、心が休まるときがない。仕事で評価されないと、全人格を否定されたようになり、「なぜ認めてもらえないのか」とうつうつとした気分になってしまう。成果が出せないと落ち込み、気分がふさぎ込んで、そのまま浮上できなくなる。

→解消アドバイス

「評価を気にするよりも、小さなことでも最後までやり切るクセをつける。やり切れば自信になり、その積み重ねが実績になります」(枡野さん)。「ウツウツは解放されていない気持ちがたまっている証拠。友達と話す、映画を見て号泣するなど緊張を解く時間を持って」(山口さん)

この人たちに聞きました

枡野俊明さん
建功寺住職。曹洞宗徳雄山建功寺住職。禅僧、庭園デザイナーとして活躍。『不安の9割は消せる』(世界文化社)、『生きるのがラクになる椅子坐禅: 今日から始める禅的朝活』(小学館)、『心配事の9割はおこらない』(三笠書房)ほか著書多数。
山口まみさん
心理学博士。ニュージーランド国立オタゴ大学で心理学博士号を取得。帰国後、Office Museを立ち上げ、ポジティブライフコンサルタントとして講座、講演、執筆活動などを行う。著書に『あなたの『隠れネガティブ』を解消する本』(三笠書房)。

(ライター 奈良貴子)

[日経WOMAN2015年3月号の記事を基に再構成]

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