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張って苦しい、ごろごろ鳴る お腹になぜガスたまる

2015/2/18

日経ヘルス

ゲップやおならが出そうで気になる……。たまって苦しい、でも人前では出せないし……。多くの人が抱えるお腹のガスの悩みには、空気の飲み込みやストレス、冷え、食事などが関係している。簡単にできるセルフケア、薬による治療など、すぐに役立つ“ガス抜き対策法”を2回にわたって紹介する。1回目は、ガスがたまる原因を取り上げよう。

【 ガスがたまる原因 】

(イラスト:いいあい)

■ストレスや冷えが大敵

お腹が張る、ゴロゴロ鳴る、人前でおならが出てしまいそう……。多くの女性を悩ませるお腹のガス。そもそもガスはなぜたまるのか。

「ガスのほとんどは口から飲み込んだ空気。私たちは飲食を通して気づかないうちに多くの空気を飲み込んでいる。例えば10ミリリットルの水を飲むと、その倍近い約18ミリリットルの空気が胃に入るという報告もある」と広島大学病院感染症科の大毛宏喜教授。

胃に入った空気の一部はゲップとして外に出るが、残ったものは下降して腸のガスになる(図1)。「飲み込んだ空気の約8割は窒素。これは酸素などと違って体内で消えてなくならないため、腸内ガスになって、おならとして外へ出る」(大毛教授)。つまり、飲み込む空気の量が多いほど、ゲップやお腹にたまるガスも増える。これが「呑気症(どんきしょう)」と呼ばれる症状だ。

どんな人が空気を飲み込みやすいのか。早食いなどでも飲み込む量は増えるが、東北大学病院心療内科の福土審教授は、「不安が強くストレスを感じやすい人は、無意識にたくさんの空気を飲み込む傾向がある。このような人の中には、便秘や下痢を繰り返す『過敏性腸症候群(IBS)』の人も少なくない」と話す。

図1 飲食の際に飲み込んだ空気が胃に入る。一部はゲップで外へ出るが、残りは腸に移動する。大腸では、腸内細菌が食べ物のカスを分解する際、硫化水素などの臭いガスを発生させることが。便秘だとこの状態がひどくなり、においも強くなる(図版:三弓素青)

冷え症で胃腸が弱い人もガスが増えやすいという。「お腹が冷えて腸がスムーズに動かないため、ガスがたまりやすくなる」と漢方に詳しい吉祥寺東方医院顧問の三浦於菟医師。通常、腸はかなりの速さで動いているが、それを意識することはない。ところが、冷えのために蠕動(ぜんどう)運動がゆっくりになると、逆に腸の動きを自覚することがあるという。「お腹の張りと一緒に『腸がモコモコ動く』などと訴える患者さんも少なくない」(三浦医師)。

便秘の人の腹部レントゲン写真。黒く抜けているのがガス。便とガスが大腸内にたくさんたまっている(画像提供:広島大学病院内視鏡診療科・上野義隆診療講師)

一方、便秘のときなどは腸内に滞留した便からガスが発生する。また、ちょっと意外だが、便秘にいいはずの食物繊維がガスの原因になることも。「食物繊維の種類によっては人に合う、合わないがあり、なかには腸内発酵が盛んになりすぎてガスが増えることもある」と大毛教授。

なお、腸内ガスの成分の99%は無臭だという。「呑気症の人に多い窒素は無臭。におうのは残りの1%で、腸内細菌による発酵の結果、発生する。代表的なのは硫化水素やインドールなどで、これらが多いかどうかでおならのにおいが決まる」(大毛教授)。

このほか、長時間座ったままだったり、体を締め付ける衣類を着ていたりすると、腸を圧迫してガスがたまることに。さて、あなたのガスの原因は? チェックしてみよう。

ストレスで腹痛やガス…過敏性腸症候群かも
急に腹痛に襲われたり、下痢や便秘を繰り返したり……。こんな症状に悩む人は過敏性腸症候群(IBS)かも。「ストレスや胃腸炎の感染をきっかけに発症することが多い。腸自体が敏感になっているので、ちょっとしたストレスでも腹痛や便通異常が起こる。ガスがたまって苦しいと訴える人も少なくない」と福土教授。突然、お腹が痛くなったりするので、通勤電車に乗るのが苦痛になるなど、生活にも支障をきたす。精神的にも不安や抑うつが強くなりやすい。つらい症状が続く場合は我慢せず、心療内科などで受診を。

この人たちに聞きました

大毛宏喜さん
広島大学病院感染症科(広島県広島市)教授。専門は消化器外科。米国ミネソタ大学留学中に腸内ガスの研究に取り組む。「おならの臭いが強いほど潰瘍性大腸炎の症状が重くなることがわかりました」。“おなら博士”の異名も。
福土審さん
東北大学病院心療内科(宮城県仙台市)教授。専門は心身医学。著書に脳腸相関をテーマにした『内臓感覚』(NHK出版)がある。「IBSは生活の質を著しく落とす。気のせいではなく、腸の知覚過敏によって起こる病気です」
三浦於菟(おと)さん
吉祥寺東方医院(東京都武蔵野市)顧問。専門は漢方全般。東邦大学医学部東洋医学科教授を経て、現職。「お腹の音を気にする女性が多いが、自分には骨伝導で大きく聞こえるだけ。周囲には聞こえてないことが多いものです」

(ライター 佐田節子、構成 日経ヘルス 黒住紗織)

[日経ヘルス2015年2月号の記事を基に再構成]

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