素人でも失敗しないカメラ 撮影後にピント位置変更究極の逸品(4)

日経トレンディ

このモノがあふれている時代。単にスペックが優れていたり、安いだけではヒットは望めない。そうしたなか、独自のアイデアや技術を武器に、消費者の心をつかんでいる製品が数多く登場している。日経トレンディ編集部が家電やデジタル機器、日用品などから厳選した「究極の逸品」から、アイデアが光る製品を5回に渡って紹介する。連載4回目は、写真を撮影した後にピントの位置を変えられる“一芸カメラ”「ライトロ イルム」を取り上げる。

「ライトロ イルム」は、驚くことに写真の撮影後にピントの位置を変えられる、国内初の市販カメラだ。欧米で注文が殺到し、日本では代理店の加賀ハイテックが2014年12月上旬に発売した。

LYTRO ILLUM(加賀ハイテック)、予想実売価格20万円前後(税別)。日本未上陸の第1世代はカメラらしくない長方形ボディーだったが、上位機種となる第2世代のLYTRO ILLUMは、迫力のある大口径レンズを搭載した本格カメラ。4000万の光線を取り込めるようマイクロレンズを配置し、高画質化。撮影後にピントや絞り(被写界深度)を変えられる

大口径の8倍ズームレンズを備える大ぶりなカメラで、背面が斜めに傾いた独特のフォルムが印象的。そして内部構造はさらに複雑だ。CMOSセンサーの前面には無数のマイクロレンズが配置されており、さまざまな方向、角度から4000万もの光線を取り込む。

それが写真1枚当たり50MBを超える3次元データとして記録され、ピント位置を自在に変えるために、本体にはハイエンドのスマートフォン(スマホ)向けプロセッサーが内蔵されている。

専用ソフトでF1.0相当に変換

LYTRO ILLUM専用ソフト。F2.0固定で撮影されるが、ソフト上でF1.0~F16まで変更できる。切り出した画像は400万画素と少なめ

撮影自体は通常のカメラと同じで、被写体にピントを合わせてシャッターを切るだけ。“失敗”しても再生画面ですぐにピントを調整できるから、何度も撮らずに済むのは確かに便利だ。

実は、これはまだ序の口。秀逸なのが、パソコンの専用ソフトだ。ライトロ イルムのメーンレンズはF2.0ともともと明るいのだが、専用ソフトでは人間の瞳と同じ明るさの「F1.0」相当に変換でき、より高い次元のボケ感が得られる。

同時に被写界深度も変わるので、「例えば昆虫や草花を接写した際、後でF値を大きくすれば、通常はボケてしまう部分にまでピントを合わせられる」(加賀ハイテックの富山信明マネージャー)と話す。

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