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初対面の印象しっかり残す、英語の挨拶 同時通訳者の英会話レッスン

2015/1/20

日経ウーマンオンライン

初めまして、純国産同時通訳者の小熊弥生です。「通訳なのに?」と驚かれることが多いのですが、私は留学経験なし、国内学習のみで英語を学んできました。これまでに培ってきた独自の英語学習方法や外国人とのコミュニケーション術をベースに、みなさんに「ココロが伝わる英会話」のコツをご紹介します。「英語はあまり得意じゃないんだけど…」という方も、難しい単語や表現は必要ありませんから、どうぞご安心ください。実は、ちょっとしたコツさえ知っていれば、誰でも相手のココロに響く英会話ができるようになるんです。

まず、外国人に初対面のあいさつをする際のコツを見ていきましょう。

日本では、初めて会った人にあいさつする場合、優しく微笑んで感じの良い第一印象を残そうとする方が多いのではないかと思います。もちろん笑顔は大切ですが、外国人が相手の場合、ただ微笑むだけではなく、自分から手を差し出して力強く握手すると好印象です。

通訳ブースです。真ん中の黒い送信機を通じて参加者に通訳を届けます。子音まで聞き取れる「バングアンドオルフセン」のヘッドフォンは手放せません

私自身、まだ駆け出しの通訳者だった頃は、にこやかにあいさつすることにばかり気を取られていました。当時は、日本人のクライアントからは指名で仕事をいただくことができても、外国人のクライアントからはなかなか指名をいただけなかったものです。

しかし、英語でのちょっとしたあいさつのコツをつかむと、とたんに外国人の企業トップや大使の方などから「また是非頼みたい」と指名をもらえることが多くなりました。みなさんもご存じかもしれませんが、仕事を発注する時に金額などの条件がほぼ同じであれば、相手の第一印象が最後の決め手になることが多いもの。

私は、良い第一印象を残すあいさつができるようになったことで、外国人クライアントから何度もリピートで仕事をいただけるようになりました。しかも、そのコツというのも、みなさんがよく知っている英語表現にほんの少しの配慮を加えるだけなのです。

■“Nice to meet you.”から卒業しよう

コツの一つ目は、「初めまして」の言い方です。

初対面のあいさつでは、通常、「初めまして。日経BP社で営業しております小熊です」などと言います。教科書に載っている表現を使えば“Nice to meet you.”から始めることになりますが、日本人の多くはこの表現ばかりを使いがちなので注意が必要。せっかくですから、相手の手をしっかりと握り、“It’s my pleasure to meet you.(お会いできて嬉しいです)”と喜びを伝えて好感度アップしましょう。

日本には「横並び」の文化があり、周りと同じ表現を使うことがよしとされますが、国際的にはdifferentiation(差別化)を重視する考え方が主流。その意味でも、ワンパターンのあいさつからは卒業したいところです。

コツの二つ目は、自己紹介の方法です。名前を言うだけでは、なかなか相手に印象を残すことはできません。そこで、名前を言う際、どんな意味を持つ名前なのかを英語で説明してみましょう。

たとえば私の場合、自己紹介をするときは“My name is Yayoi Oguma, it means a little bear born in March.(私の名前は小熊弥生で、3月生まれの小さな熊という意味なんです)”などと伝えます。外国人にとってみればOgumaという音には何の意味もありませんが、その音の意味を添えることで、相手が名前を覚えやすくなります。また、相手が頭の中に「3月生まれの小さな熊」を思い浮かべると笑顔になり、お互いの緊張感もほぐれるもの。その後のコミュニケーションがぐっとスムーズになります。

コツの三つ目は、相手にちょっとした気遣いや配慮を示すこと。たとえば海外から出張で来たばかり人にあいさつをする場面では、“How was your flight?(フライトはいかがでしたか?)”と尋ねてみましょう。相手が疲れているかもしれないことに対する気遣いが伝わり、「わざわざ来日してくださってありがとう」「お疲れのところ会議に来てくださってうれしい」といった気持ちを感じてもらうことができます。

会話の最後には、“Please enjoy the rest of your stay.(どうぞ残りの滞在を楽しんでくださいね)”という一言を添えましょう。ただ“Thank you.(ありがとう)”と会話を終えるより、相手への心配りが伝わります。日本人の感覚では「出張中の人に『楽しんでください』と言っていいの?」と感じるかもしれませんが、長い移動時間をかけてわざわざ来日している方に「仕事とは関係なく、個人的にあなたが良い滞在時間を過ごせることを望んでいる」という気持ちを伝えられれば、きっとその言葉は相手のココロに響くはず。

小熊弥生
同時通訳者。71年生まれ。実践女子短期大学国文科卒業、2004年早稲田大学社会科学部副総代で卒業。短卒後のTOEIC は280点。独自の勉強法で、半年後に805点を取得して英会話学校講師に抜擢。後、TOEIC 950点、英検1級を取得し、短大卒業から3年半で通訳者に。通訳した現場は、5000件以上。

(構成 千葉はるか)

[nikkei WOMAN Online 2014年4月17日付記事を基に再構成]

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