ウオールステッカー 壁を飾って模様替え
シールと転写で手軽に
「壁に色を塗ったり、壁紙を貼り替えたりしなくても、部屋の印象をたちまち変えることができる」とウオールステッカーを勧めるのは、インテリアコーディネーターの荒井詩万さん。「きれいにはがせて跡が残らない。賃貸住宅の装飾にも活用できる」
荒井さんがコーディネート提案にウオールステッカーを使い始めたのは3年前。簡単にしかも低コストで模様替えができると好評だという。確かに大がかりなリフォームや高価な家具を買うのに比べれば、シール状のアイテムだけで部屋をイメージチェンジできるのはお手軽だ。
ウオールステッカーには、普通のシールと同じ要領で台紙からはがして貼るシールタイプと、転写シート(透明フィルム)にシールを一度移してから貼る転写タイプがある。大きさや枚数にもよるが、主な価格帯は前者が1000~6000円、後者が4000~1万4000円だ。
ウオールステッカーは、壁をデコレーションすることが当たり前の欧州や北米では広く知られた存在。「日本でも最近人気が高まっているのは、デザイン性の高い欧米のウオールステッカーを扱う通販サイトが増えているのも要因では」(荒井さん)
例えばフランス、米国、イスラエルなどの厳選6ブランド約600アイテムの品ぞろえを誇る、日本最大級のウオールステッカー通販サイト「ウオールステッカー市場」。同サイトを運営するマッチングジャパン(東京都渋谷区)の大永和弘社長は、「クリエイターたちの自由な発想が生み出すウオールステッカーは、かわいらしい動物や植物モチーフ、ポップなグラフィックアートなど実にさまざま」と、デザインの豊富さについて話す。
なかでも1番人気は北欧テイスト。木や葉、花など自然のモチーフが多く、ナチュラルとモダンを兼ね備えたデザインだ。「貼るだけで部屋が明るく優しい雰囲気になると女性に支持されている」(大永さん)
ストーリーを描こう
いきなり大きなものを貼るのは……とためらっているなら、小さなものを小さなコーナーに貼ることから始めよう。「今や100円ショップにもかわいいウオールステッカーがある。まずは低価格品を使い、慣れてきたら高品質の大判サイズに挑戦しては」と荒井さん。壁に限らず、ガラス窓やドア、鏡、タイル、家具、家電、雑貨などさまざまなものに貼ることができ、きれいにはがせる。ただ和紙やペンキなどの塗り壁は、紙や塗料が一緒にはがれてしまう可能性があるので気をつけよう。
「サイズの大小やどこに貼るかを問わず大切なのは、テーマやストーリーを考えること」と荒井さんは話す。かわいいというだけで選んでは、ウオールステッカーだけ浮いてしまう。
「例えば滑り台付きの二段ベッドがある子ども部屋。公園をイメージし、遊ぶ子どもを見守るシンボルツリーとして、大きな木のウオールステッカーを貼るなど、ストーリーを明確に」
あるいはエッフェル塔のウオールステッカーを貼ったら、そばにパリ風の雑貨を飾って統一感を出す。「周囲のモノとどうリンクさせ、インテリアに溶け込ませるか計算して」
全体のレイアウトバランスをチェックしながら貼ること。独創性を発揮し、自分の表現空間を演出してみよう。この冬休み、ウオールステッカーで部屋をおしゃれに変えてはいかが。
(ライター 松田 亜希子)
[日経プラスワン2014年12月27日付]
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