日本エレキテル連合 微妙にアウトキャラで社会現象に
日経エンタテインメント!
「いいじゃないの~」と言葉巧みに誘惑する初老男性・細貝さんと、「ダメよ~、ダメダメ」と同じセリフでかわし続ける白塗りの未亡人・朱美ちゃんのコントで大ブレイクした日本エレキテル連合。飛躍のきっかけは、2014年正月に出演した『ぐるぐるナインティナイン』(日テレ系)の人気企画「おもしろ荘へいらっしゃい!」と、『新春レッドカーペット』(フジ系)だ。

今では人気者となった細貝さんと朱美ちゃんだが、インパクト抜群のビジュアルに奇妙な会話も相まって、テレビに出始めた当初は客席から悲鳴にも似た声が上がっていた。
人気を後押ししたのは、実はお笑い畑以外の面々。無名だったにもかかわらず、早い時期からaiko、きゃりーぱみゅぱみゅ、田辺誠一といった有名人が2人の芸を激推し。「ダメよ~、ダメダメ」の使い勝手のよさもあって、口コミで一気に広がっていった。
2014年5月ごろから、さまざまなランキングをにぎわすようになると、同年8月には『バイキング』(フジ系)が調査した「女子中高生が選ぶ今後ブレイクしそうな芸人」で、どぶろっくと同票で1位に。この前後からは破竹の勢いとなっていき、企業のPRイベントや学園祭などに引っ張りだこになった。

演じるのはどれもアウトなキャラばかり
憧れの志村けんと同様、2人が得意とするのはキャラクターに憑依(ひょうい)しきったコント。細貝さんと朱美ちゃんは数あるキャラのひとつでしかなく、ほかにも「控え選手」が多数存在する。トラックの車内で物騒な会話を繰り広げるヤクザと血気盛んな彼女。さらには、ロリコンの官能小説家とご奉公に来ている7歳の女の子、会社での失敗を慰め合う不細工なOLの2人組など。いずれも放送ギリギリ…いや、ビミョーにアウトなキャラクターばかりというのが共通点だ。

かつての小島よしおクラスの大ブレイクがなかなか出ないお笑い界にあって、久々にちびっこ人気を獲得した芸人でもある。スギちゃんのブレイクはもう2年前のことだ。
キャラの設定を考えると、朱実ちゃんのまねを止めない子どもに親は困惑気味という構図もどこか笑える。いつの時代も本当に面白いのは、「ちょっと怒られるくらいのもの」であることを2人は証明したと言えそうだ。

(ライター 遠藤敏文)
[日経エンタテインメント! 2015年1月号の記事を基に再構成]
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