痛い、就寝中のこむら返り 予防は適度な運動
カラダのお悩み何でも診療所(12)
最近、寝ている間や運動をしているときによく足がつります。原因と予防法を教えてください(34歳・メーカー・事務)
寝ているときや運動をしているときに、足がつってしまうのは珍しいことではありません。
ふくらはぎの筋肉が急激に収縮し、つることを「こむら返り」といいます。太ももや足の裏、指など、さまざまな箇所でこうした症状が出ることもあります。これらの主な原因は3つ。冷え、筋肉疲労、脱水です。
足が冷えると血管が収縮し、血液循環が悪くなるため、筋肉が収縮して足がつりやすくなります。また、普段使い慣れない部位を急に動かすことで筋肉が疲労し、収縮することがあります。体を動かす前には十分にストレッチをしましょう。
さらに、水分不足や大量の発汗によって脱水症状を起こすと、体内のミネラルバランスが崩れ筋肉の異常収縮が起こりやすくなります。
足の冷え予防と疲労回復のためには、血液の流れをよくすることが大切。普段からよく歩いたり階段を使ったりして下半身の筋肉を鍛えましょう。筋肉のポンプ作用によって血液循環が促進します。特にふくらはぎの筋肉を使うことで、足先の血流がアップ。外側から温めるだけでは、冷え防止や血流アップの根本的な対策につながりません。座ったまま筋肉を鍛える方法もあるのでぜひ参考にしてください。
また、日ごろから、体を温めたり、血液循環を促したりする食材を食べるようにするといいでしょう。
もし、足がつるだけでなく、汗をかきやすくなった、痩せて疲れやすくなった、動悸がする、食欲が旺盛になったといった症状がある場合は、バセドウ病などの甲状腺疾患が疑われます。また、下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)などの疾患が原因のこともあるので、繰り返す場合には一度病院で調べてもらいましょう。
冷え、筋肉疲労、脱水などによって筋肉が異常収縮を起こし、筋肉と腱が互いに引っ張り合うことで激しい痛みを伴う。適度な運動による筋肉の維持と血液循環の促進が症状の予防につながる。
この人に聞きました
池谷医院院長。東京医科大学医学部卒業。同大学第二内科を経て現職。心臓、血管、循環器系が専門。『「しなやかな血管」で若返る』(KKベストセラーズ)など著書多数。
(日経WOMAN 福島哉香)
[日経WOMAN2014年2月号の記事を基に再構成]
健康や暮らしに役立つノウハウなどをまとめています。
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