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子育て支援、幼保一体化… 保護者「恩恵実感ない」

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NIKKEI STYLE

 来年4月に始まる子ども・子育て支援新制度。目玉の1つが幼保一体化だ。幼稚園と保育園の垣根を取り払い、既存施設と人員を最大限活用。保育の受け皿を増やしつつ、教育機能も強化する――そんな未来図を描く。だが始動を間近に控え、現場では逆の流れが起きている。

「認定こども園は返上します」。東京都杉並区にある玉成幼稚園の担当者は残念そうに話す。幼保一体化の道筋を付けるために国は2006年に認定こども園制度を作った。その理念に賛同し翌年に幼稚園から衣替えして7年。皮肉にも返上のきっかけは幼保一体化を掲げる子ども・子育て支援新制度だ。

新制度でも認定こども園は存続できるが、助成の仕組みが変わり運営費の補助額が大幅に減る。午前8時半から午後6時半まで保育を提供しているが、補助を削られては続けられない。

幼稚園に戻れば保育料を園が決められる。ただし今と同じ保育・教育を提供するには月1万円ほどの値上げが必要。認定こども園のままサービスを抑えるか、質を保つために幼稚園に戻るか。2案を保護者に示した。「『現状を維持してほしい』という多くの保護者の声を基に返上を決めた」

「幼稚園と保育所のよいところをひとつにした認定こども園の普及を図ります」。国は新制度の解説資料で宣言している。だが認定こども園の足並みがそろわない。7月に実施した国の調査によると10.9%が認定を返上し「幼稚園・保育園に戻る」と答えた。

原因は補助金の減額だ。国の当初案では小規模施設だと増額になるケースがあるが、大規模施設では現状維持が難しいほど補助金が減るケースがある。国もこのままではまずいと考え、原案を取り下げて再考中。だが来春入園の募集は既に始まっており、泥縄的対応に関係者はいらだちを隠さない。

保育の受け皿として期待された幼稚園の対応は、さらに冷めている。15年度に新制度に移行すると答えた私立幼稚園は検討中を含めても22.2%にとどまる。「16年度以降の状況により判断する」が最多の49%に上った。ここでも不安は運営費の不足だ。

東京都心の私立幼稚園長は「絶対に移行しない」と断言する。同じ区の私立幼稚園はすべて同じ意向という。保育料は月3万8千円程度。それでも収支は厳しい。新制度では保育料を自治体が決める。区が内々に示した「公定価格」は3万円を下回る。「とても維持できない」

制度上は上乗せ徴収も認められている。だが用途など詳細を明記しなければいけない。「収入が減る分を新制度はまかなってくれない。制約が増えるだけで恩恵はなし。ならば独自の教育方針を貫きたい」

そもそも新制度は保育園や幼稚園、認定こども園など複数に分かれた保育・教育施設の統合を目指し10年に議論を始めた。政府内で審議を重ねるにつれ、関係団体の反対が噴出。当初の目的は果たせず、それぞれが存続する形となった。

限られた財源を分け合う以上、行政の補助金が減るケースがあってもやむを得ない面はある。3歳児未満の小規模保育や学童保育の拡充、専業主婦向け子育て支援の実施など新制度によるプラスもある。ただ喫緊の課題である待機児童解消への効果は不透明だ。

「保育園に入るには認定が必要です」。東京都杉並区で子育て中の親らが組織する「保育園ふやし隊@杉並」が16日に開いた情報交換会に11組の親子が集まった。冒頭30分を新制度の解説に費やした。

8月に出産して育児休業中の女性(35)は「とりあえず仕事と育児が両立しやすくなるわけではないことは分かりました」とあきれ顔。新制度では認可保育園に入るには市区町村の認定を受ける。だが保育が必要と認定されても、認可園に空きがなければ入れない。「手続きが増えただけ。自宅近くの保育園は狭き門で来春職場復帰できるかは微妙。恩恵を実感できない」

ここにきてさらなる不安材料も浮上した。消費増税の先延ばしだ。新制度は消費税率を10%に上げる前提で制度設計している。年間1兆円の想定予算のうち7千億円が消費増税分。このままなら財源が不足する。

市民ネットワーク「にっぽん子育て応援団」は28日に東京都で緊急フォーラムを開く。企画委員の奥山千鶴子さんは「少子化で子ども子育て環境の整備は急務。財源をどうするのか。国の覚悟を問いたい」と強調する。(おわり)

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