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職場の知恵

子育て支援、生まれる前から モデルはフィンランド

2014/11/18

こうした試みは10月、埼玉県和光市でも始まった。4カ所ある窓口の1つ、「みなみ子育て支援センター」は、保育園の2階にある。フローリングの部屋で座布団に座りながら母子保健コーディネーターとゆっくり話ができる。

センターは様々な子育て支援の拠点。子どもと遊びに来ていた神沢亜紀子さん(41)は市役所で母子手帳を受け取ったため、出産後、市の広報を見るまでセンターのことを知らなかった。「情報が少ないと、足を運ぶにも度胸がいる。母子手帳の受け取り時から様々な支援制度を詳しく知ることができれば、より安心では」

国もこれらの取り組みを後押しするが、まだごく一部の自治体で始まったばかりだ。行政の従来のやり方を大きく変える必要もある。身近に支援してくれる人がいない、経済的困窮、養育の不安……。女性が抱える悩みは様々だ。「行政はともすれば母子保健、子どもの福祉など縦割りになりがち。多職種の連携、悩みの予防と早期発見。この2つが欠かせない」。和光市の保健福祉部長、東内京一さんは強調する。

職員の力も必要だ。同市では、ケアプランの内容を様々な職種が集う会議で議論し、内容を練る。それにより担当者のスキルアップを図っていくという。

第三者の支援必要

フィンランドのネウボラは、民間の取り組みとして始まった当初を含めれば、100年近い歴史がある。高い出生率と女性の就業率を両立させているフィンランドの取り組みは日本でも大きな参考になるが、急速な少子化が進む日本では時間に余裕はない。

ネウボラに詳しい吉備国際大学の高橋睦子教授は「今は昔と違い、実家やご近所のネットワークが弱まっており、第三者の支援が欠かせない。どんな態勢が取れるかは、それぞれの地域の実情に合わせ工夫する必要がある」と指摘する。その上で「一定の予算はかかるが、子どもの健やかな育ちを支えることは未来への堅実な投資。上からの指導ではなくお母さん目線に立つことが大切だ」と話していた。(編集委員 辻本浩子)

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