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更年期女性はお宝世代 「オトナ思春期」の購買力 日経BPヒット総研 黒住紗織

2014/11/13

エンターテインメント、トレンド、健康・美容、消費、女性と働き方をテーマに、ヒット案内人が世相を切るコラム「ヒットのひみつ」。今を象徴するキーワードから、話題の理由、面白いワケなど、「ひみつ」を明らかにします。今回のヒットワードは「更年期女性向けの服飾需要」。約1200万人の女性が更年期を迎えている日本。この魅力的なマーケットを獲得しようと服飾メーカーが動き出しています。

いま更年期を迎えている45~59歳の女性の多くは男女雇用機会均等法の第一世代。仕事でキャリアを積み、少子高齢化を背景にこの先も長く社会との接点をもち続けることを期待されている。ここでは、仮にこの女性層を「バブル更年期キャリア世代」と呼ぼう。

厚生労働省の統計では45~49歳女性の75.7%は働いており、いまや、定年まで女性も働き続けることが当たり前になってきている。こうなると、女性ホルモンの低下による更年期の心身の不快感や不調を抱えていても、次のステップにあたる体調の安定期(老年期)までの期間をいかに快適に、かつ社会性も保ちながら乗り越えるか、が彼女たちの課題となる。

9月に両国で行われた商品展示会のKIREILABOコーナーで案内する後藤さん

たとえば、ブラジャーやショーツ、肌着などの下着。更年期世代の体の変化とそれに伴う女性のニーズにいち早く気づき、売り上げを伸ばしているのがグンゼだ。

更年期は女性ホルモン低下の影響で体型が変わりやすく、肌も敏感になり、ちょっとした刺激にもかゆみやチクチクを感じるようになる。だが働き続ける以上、ノーブラというわけにはいかず、かといって体に合わないものを長時間身に着けるのもつらい。

グンゼは2012年、更年期を「オトナ思春期(第二の思春期の意味)」と命名し、この世代向けのインナーウエアブランド「KIREILABO(キレイラボ)」をリニューアル発売。12年は売上金額ベースで前年比30%、13年は10%と2桁増を維持、本年は前年比50%増を見込む。

■消費者自身も自分の体に起きる変化を知らない

実はキレイラボ自体は08年から立ち上がっていたブランドだが、更年期の肌の変化に着目し、リニューアルしたのが12年。リニューアルでは、肌に刺激を与えにくい綿100%で、縫い目のない完全無縫製、商品タグも排除し情報は製品裏面に印刷、ブラジャーではワイヤーをなくして脇や肩は細い紐で締め付けず、面で支える、など徹底的な「肌への刺激や強い締め付けの排除」を行った。

08年当時の製品は、対象はエイジング世代としたものの、従来の若い女性用の補正下着(下着で体のラインの崩れを補正する)の考え方で開発したものだった。すると、「40代女性からのクレームがなぜか多かった」(グンゼ アパレルカンパニー インナーウエア事業部 MD本部部長 後藤直子さん)という。

調べてみると、サイズも素材も変えていないのに「チクチクする」「前と同じサイズを買ったのに、きつく感じる」といった声が多く、同社は「40代女性は更年期を背景に肌が変化し、感受性が強くなる」ことを突き止めたのだ。そこで、更年期世代が着心地よく、かつ、ボディラインの衰えもある程度受容しながらも、あきらめなくてもいい下着の開発という目標を掲げ、新しく「オトナ思春期」向けのキレイラボが誕生したわけだ。

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