スマホ使いすぎで速度にブレーキ 設定見直しで節約
スマホのLTE通信は高速で快適だが、アプリのダウンロードやネット動画の閲覧、テザリングなどに多用すると、すぐに高速で通信できるデータ量の制限を超えてしまう。特に、主要3社の新料金プランに変更した場合、パケット定額料が安いコースほど高速通信できる容量が少ない。
その使用枠を使い切り、通信速度が128kbpsに制限されれば、「月末まで辛抱する」か「追加料金を払って制限を解く」かの選択を強いられる。高速通信容量が少なめの格安SIMも同様で、快適さとコストの両立には、ムダ遣いを防ぐ工夫が欠かせない。
LTE通信の節約は、Wi-Fiの活用がカギになる(図1)。アプリのインストールや動画の視聴など、通信量が多くなるものは自宅のWi-Fiに接続したときだけに限定し、外出時は通信会社などが提供する無料のWi-Fiスポットを活用する。アプリの更新やクラウドとのデータ同期といった自動通信も必要最小限に抑えるとよい。
Wi-Fiや同期設定を見直しモバイル通信を節約する
具体的な節約策を見ていこう。まずは現時点でその月にどれだけデータ通信をしたか、スマホで確認できるようにする(図2、図3)。携帯電話会社が計測する通信量とは若干誤差はあるが、大まかに把握するのには十分だ。アンドロイドでは、指定値に達したらLTE通信を強制的にストップさせるようにも設定できる。
メールやカレンダーなど、クラウドとのデータ同期は支障のない範囲でオフにしよう(図4、図5)。
アプリの自動更新の設定は、アンドロイドなら「Playストア」を起動し、Wi-Fi接続中に限定する(図6、ただしPlayストア以外からインストールしたアプリを除く)。iPhoneの場合は、アイチューンズおよびアップストアの設定で「モバイルデータ通信」をオフにする(図7)。
アンドロイドでは、画面消灯時も要注意だ。機種によっては、本体の画面を消灯するとWi-Fiも連動してオフになる。バッテリーの節約には有効だが、自宅ではLTE通信の節約を優先し、Wi-Fi接続を維持する設定に変えよう(図8、図9)。
なおドコモのスマホで、「ドコモメール」など一部アプリをWi-Fi経由で使うには、ドコモID(旧機種ではWi-Fiオプションパスワード)の設定が必要になる(図10)。
とことん節約するなら、LTEの通信機能をオフにし、Wi-Fiが使える場所でだけネット接続する方法もある(図11、図12)。メールを即時受信できないなどの不便はあるが、不意の通信を完全に排除できる。なお、LTE通信を切っても電話の発着信に支障はない。
一部の格安SIMでは、高速のLTE通信だけをオフにすることが可能だ(図13)。オフ中は、通信速度が常に制限されるが、いくら通信しても高速通信容量が減らないので、必要なときに備えておける。
(ライター 乗越政行)
(日経PC21 2014年11月号の記事を基に再構成)
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