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「与えられた環境の中で役割を全うする」 俳優、堀北真希(下)

2014/9/27

――小泉堯史監督は今回の映画「蜩ノ記」で堀北さんをキャスティングした理由として、所作や言葉遣いがしっかりしていることを挙げていた。家庭でのしつけは厳しかったか。

「割と厳しいほうだったと思います。私の家庭では食事は正座して食べていましたし、姿勢や行儀が悪いとよく怒られました。厳しかったのは、お母さんです。我が家はお父さんはあまり口を出さず優しかったです。ただ基本的に、両親から『○○しなさい』などと強制されたことはないんですよ。何でも『自分で決めなさい』と言われていました。言葉遣いについても厳しかったですが、友達と一緒にいるときなどは最近の若者っぽい言葉遣いになっちゃうと思います。それでも、きちんと話すということはとても大事だと思っています。あくまで自分の話し方が正しいのかどうかは分かりませんけどね」

――何でも自分一人でてきぱきやる、という堀北さんの人物評を聞く。友人から頼られることも多いのでは。

「実家を出るのが早かったからという事情はあると思います。実家を出たのが15歳で、20歳の時から一人暮らししています。そこで培われたものもあるのではないでしょうかね。高校生から事務所の寮に入って生活をしていました。周囲の方から助けてもらいながらではありましたけど」

「周囲の同世代の友人たちが働き始めたとき、私のほうがちょっと早く働き始めていたこともあり、悩みだとか相談を受けたりすることもありました。内容によると思いますが、私に聞いたほうがいいものなら分かる限りきちんと答えるようにしています。話を聞いて、自分なりにそのシチュエーションをリアルに考えて、『そういう場合はこうしたほうがよかった』とか、『こういうふうな言いかたをすればよかった』とか」

――俳優の仕事をするようになって、友人との付き合いは変わったか。

「私の友人は私のことを『女優・堀北真希』だと思ったことは一度もないと思いますよ。出演作品の話などは友人との間ではしないですしね。ただ、私が一緒に仕事をした相手がその友人の好きなタレントさんだったりしたときなど、『どんな人だった?』とすごく聞かれます。私としてはあまり詳しく答えたくないので『いい人だったよ』などとお茶を濁します。周囲の友達は、昔も今も変わらず普通の友達でいてくれています。みんなで食事したり、お酒を飲みに行ったりもしますし。日ごろ仕事をしていても自分を見失うことはないんですが、気兼ねなくしゃべれる友達と会えると、すごくリラックスできますよね」

――今後どのような女優になろうと思っているか。

「現時点でも『女優で生きていこう』と確たる考えを持っているわけではありません。でも急に職を変えるということはないと思いますけどね(笑)。たぶんこの職業は、自分がやりたいと思っても、それだけでできるものではないと思います。与えられた環境の中で役割を全うするということです。大人になって、最近は冷静に自分のやっている仕事の影響力とか、そういうことも感じています。見る人に楽しみにしてもらったり、実際楽しんでもらったり、今後もそういうことができればいいなと思っています」

(聞き手は電子整理部 松本勇慈)

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