今後は大手から中堅・中小へ

――どういった人に向いていますか。

「転職したばかりでもためらわずに、自分から社内の各部署とかかわっていける人が向いています。初対面でも積極的に人間関係を築いて、情報を集められる心意気があるといいでしょう。営業のように自分で行動して売り上げを立てる仕事ではなく、社内の各部署を巻き込んでいくことが、職務を達成するうえで重要なポイントとなるからです。社内の最新情報を率先して集め、適切な形でアウトプットしていく点ではIRや広報の仕事に似ています。広報や経営企画のように社内でネットワークを築いてきた経験があると、評価されるでしょう」

「新しい職種なので専門人材が少ないところに、即戦力を求める機運が高まっており、経験者をめぐって争奪戦の様相を呈しています。全くの未経験からでは難しいですが、例えば総務や経営企画などで少し関わった経験がある、多少知見があるという程度であっても採用の検討対象になる可能性があるといえます。経験者が少ない分、経理や人事のような他の管理部門に比べれば門戸を広く開いており、業種や会社の規模が異なってもそれほど大きな問題にはならないようです」

――今後、この職種はどのように広がっていくでしょうか。

「現在は大手企業が中心ですが、大手が取り組むということは早晩、その取引先となっている中堅・中小企業にも波及していくでしょう。先行して取り組みを進めている企業、具体的にはメーカーからコンサル、その次は流通・サービス業へといった流れが予想されます。昨今の社会へのSDGsの浸透具合を見ても、企業規模や業種にかかわらず、SDGsに取り組む企業が消費者に選ばれるようになるのは明らかです」

「今後大いに伸びていく職種ですから、転職者よりも求人が増えるスピードのほうが圧倒的に速いでしょう。現在は企業の取り組み具合の差が、転職市場で人の流れを生んでいるともいえます。現職でSDGs関連業務を多少経験した人が、より本格的に取り組む企業への転職を考えるケースも増えています。今後さらに市場が広がってくれば、知識・経験とも豊富に持ち合わせている人が流動化していくのではないでしょうか」

「SDGs達成の目標は『2030年』と掲げられていますが、その後に仕事がなくなるわけではありません。SDGs関連の職種が、広報やIR、経営企画と並ぶキャリアの一つの軸になっていくでしょう。キャリアを広げていくにあたり、面白い選択肢になると思います」

岩下純子
 パソナ 常務執行役員。大学卒業後、大手通信会社へ入社。退職後、専業主婦、派遣社員を経て、2003年パソナキャリア大阪支社(現パソナ 人材紹介事業本部)へ入社。現在は同社人材紹介事業本部副本部長。

(日経転職版・編集部 木村茉莉子)

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