紅白のコントラストが印象的な「DooWop」の店内は、50年代のアメリカンカルチャーをイメージ

ドゥーワップ:米国のトレンドに注目したチキンバーガー

次に紹介するのは、焼き鳥専門居酒屋チェーン「やきとり家 すみれ」を全国に87店舗展開するすみれ(東京・渋谷)が今年7月、東京・代官山にオープンしたチキンバーガー専門店「DooWop(ドゥーワップ)」。平日の夕方に取材に行ったときは若者の姿が目立ったが、近隣に住む子ども連れや年配客も多く足を運んでいるという。

チキンバーガーには、うま味たっぷりの鶏モモ肉を約100グラム使用。10種類のハーブとスパイスで味をつけてカラッと揚げ、パセリをきかせたハーブマヨネーズとレタスをはさんだ「チキンバーガー プレーン」(290円)が基本の商品だ。プラス70円で「BBQエッグ」「テリヤキTARUTARU」など6種類のソースを選ぶことができる。

一番人気の「BBQエッグ」にフライドチキンとドリンクがついた「アニマルモードセット」(720円、バーガー単品360円)

米国のチキンバーガー店で販売されているメニューをイメージしたという「DooWopスライダー」(2個390円、8個1500円)も同店の特徴的なメニューの一つ。直径6.5センチの甘みのあるブリオッシュ生地のバンズに、ムネ肉を使用したフライドチキンをサンド。女性でも3口ほどで食べきれてしまうミニサイズのバーガーだ。ストライプ柄のパッケージもかわいらしく、差し入れや軽食に買って行く人が多いという。

すみれは、「焼肉ライク」などのチェーンを展開するダイニングイノベーション(東京・渋谷)のグループ会社。同社代表の湯沢忠則さんは「数年前よりグループでDX(デジタルトランスフォーメーション=IT技術の浸透による社会や生活の変革)を活用した新業態の開発に力を入れており、DXと相性の良いファストフードに着目しました。米国で人気のあるような本格的なチキンバーガーを気軽に買うことができる専門店が日本にはほとんどありません。そこで、DooWopの開業に至ったのです」と話す。

つまんで食べられる、ミニサイズの「DooWopスライダー」(左/2個390円)。商品の注文は、店頭の端末でタッチパネルを操作して行う

注文方法は、店舗入り口に設置された端末か、テークアウトの場合は専用のスマホアプリを使用。店頭端末の場合、支払いが完了すると注文内容がキッチンに送信されるため、口頭での注文など店員との接触を省略することができる。アプリ使用の場合、最長3日先まで受取日時の指定が可能。出来上がり時間は1分単位で表示されるため、待ち時間も最小限に抑えることができ、コロナ禍における三密回避に役立てられている。

今後は一都三県の繁華街を中心に店舗を増やしていき、いずれはフードコートやロードサイド店舗などの展開も視野に入れているという。「商品を通して『チキンバーガーはおいしい』とお客様に思われ続けなければ、この先はない。米国のように、日常的にチキンバーガーを食べる光景が日本でも広がるようまい進していきたいです」(湯沢さん)

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クリスピーズバーガー:自社で焼成するバンズにもこだ