映像のプロに向けた機能も強化

iPhone新機種を発表する米アップルのティム・クック最高経営責任者

iPhone 13 Proシリーズは特にカメラの機能強化が目立つ。同シリーズ2機種はともに、望遠カメラの光学ズームが2倍から3倍に伸びたほか、超広角カメラでマクロ撮影が可能になるなど、撮影シーンの幅が大きく広がった。

iPhone 13 Proシリーズは「Pro」という名前の通り、映像のプロに向けた機能も強化された。プロが映像作品の納品に用いる「ProRes」というフォーマットに新たに対応。プロ品質の映像をiPhoneで撮影・編集できるようになったことで、プロが映像現場で活用しやすくなった。

映像関連機能の強化に伴ってか、iPhone 13 Proシリーズにはストレージ容量1テラバイト(テラは1兆、TB)という大容量モデルが新たに加わった。これにより一般ユーザー向けのiPhone 13シリーズと、写真や映像のプロ・セミプロ向けのiPhone 13 Proシリーズの違いがいっそう明確になった。

マスク着用時のロック解除に難点

一方、日常使いの観点からすると、新型コロナウイルス禍で浮き彫りになった、マスク着用時に顔認証技術「Face ID」でロック解除ができないという問題に今回も解決策が示されなかったことは残念だ。

iPhone 13/13 Proシリーズと同時に発表された小型タブレット端末「iPad mini」の新型は、指紋認証機能「Touch ID」を電源キーに搭載するというスマートな形で実現した。それだけに、iPhone 13/13 ProにTouch IDが搭載されなかったデメリットがいっそう目立つ。

アップルは腕時計型端末「Apple Watch」と組み合わせて使うことで、マスクを着用した状態でもFace IDでiPhoneのロック解除ができる仕組みを提供している。だが、すべてのiPhoneユーザーがApple Watchを使っているわけではない。もともと風邪予防や花粉症対策のためマスクを装着する人が多い日本では、コロナ禍以前から「Face IDは不便」という声が少なからずあった。それだけに、iPhone単体でマスクをしていてもロック解除ができる手段をなんとか提供してほしい。

iPhone13/13 Proは日本では9月24日に発売。主力のiPhone13の価格は9万8800円から。

佐野正弘
 福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。
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