自己投資癖と試行錯誤力

40代に向けて伸びる人と停滞する人の差を分ける3つの姿勢、その2は「懸命に学び、試す」人か否かです。

試行錯誤を粘り強く続けることができる体力は、1つ目の「勝ちにこだわる執念」と相関していますが、仕事のために自己投資できるかというのもまた、後天的に養われる習慣的な部分があります。

私が見る限り、仕事のための自己投資癖は、おおよそ30代半ばまでで習慣づけられるようです。何か新しい業務に直面すると、最初はそれを習熟するために先輩に聞きまくり、関連書籍を読みあさり、場数を踏むために自ら類似の業務に手を上げ続ける――。業務のプロ化を図る人は、このようなことを(おそらく本人は無自覚的に)繰り返すことで専門家になっていきます。このタイプの人は、「その道のプロ」を目指す過程で、自分なりの持論や一家言を持つようになります。

面接において、その候補者が「懸命に学び、試す」人かどうかを確認するには、その人の専門・スキルに関することを、どのように身につけたかと、その専門・スキルについてレベルの高低を決めるものは何だと思っているかについての2点を聞いてみるのがよいでしょう。

「すごいですね、そのスキルはどうやって磨かれたのですか?」

「その専門性のレベルを決めているものは、何なのですか?」

本当に極めている人は、よくぞ聞いてくれましたとばかりに、それぞれの問いについて具体的に、エピソード満載で語ってくれるはずです。その際の話の展開や幅で、その人の興味・関心の向きや広さも確認するとよいでしょう。

逆に、この2つの質問について、あいまいな話しか出てこない人は、懸命に学び、試すという姿勢・習慣を、あいにく持ち合わせていないと判断されます。

30代までに仕事における試行錯誤力、自身の研さん力を身につけた人は、40代以降も活躍し、さらなる成長を遂げます。企業としては当然のことながら、この素養を身につけた30代後半から40代前半のリーダー人材を採用したい。面接時の会話、あるいは職務経歴書の記述においても、具体的な試行錯誤エピソードがにじみ出ている候補者は「買い」です。

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