子育てとキャリアの両立術 「第3の家族」を活用「日経転職版」特別セミナーから

リモートワークの増加は子育て環境も変えつつある(写真はイメージ) =PIXTA
リモートワークの増加は子育て環境も変えつつある(写真はイメージ) =PIXTA

子育て世代にとってキャリアと育児の両立は悩ましい問題だ。家庭内での役割分担が見直され、働き方の変化も加速する中、新たな「最適解」を探す動きが広がりつつある。こうした流れを背景に転職サイト「日経転職版」は特別セミナー「キャリア実現と子育てを考える ~これからの親子の学び~」を開催した。転職エージェント「morich」の森本千賀子社長と武蔵野大学中学校・高等学校校長兼武蔵野大学附属千代田高等学院校長の日野田直彦氏に、子育てをしながらビジネスパーソンがどのようにキャリアを築いていけばいいかについて聞いた。

――子育て世代のキャリアの現状を教えてもらえますか。

森本氏 新型コロナウイルス禍が大きなターニングポイントになり、働き方のトランスフォーメーションが起こったという感じですね。これまで何年も「働き方改革」が様々なところで叫ばれてきましたが、ようやく着手されたという実感があります。私は30年ほどキャリアに関する仕事に関わってきましたが、正社員なら安泰という「正社員神話」が崩れ、転職マーケットも当たり前になってきたと感じます。

企業は様々な雇用形態の人を迎え入れながら、いかに変革してVUCA(ブーカ=不安定さ、不確実さ、複雑さ、あいまいさ)の時代に乗り遅れないようにするかを必死に考えています。個人も多種多様な雇用形態で働く周りを見渡しながら、いかに自分のプレゼンスを高められるかを考え、1社でキャリアをつくるのではなく、複数社を渡り歩いたり本業だけではなく副業をしたりと、自ら選択肢を増やす時代がやってきたと思います。

――子育てを意識すると仕事にブレーキがかかることもあると思いますが、両立できる環境はどのように作っていけばいいのでしょうか。

森本氏 日本の企業の中で女性がキャリアを作っていくことは、まだまだ大変です。例えば、男性の育児・家事参加は、女性と比べて6分の1しか時間投資がされていないといわれています。そして、日本企業のマネジメント層はいまだに男性が主体で、女性管理職比率は全体の13%しかありません。8割以上を占める男性管理職の配偶者を調べると、専業主婦が非常に多いです。これは、ワーキングマザーの日々の大変さが具体的にどのようなものか、イメージできない管理職が多いということです。

「キャリアをどうつくっていきたいか?」というキャリアビジョンやキャリアデザインについて、「自分の上司=自分の仕事をアサインしてくれる人」としっかりコミュニケーションをとること、まずはそこから始めることだと思います。

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