合宿で手応えを得たデビューグループへの勝算

「歌唱で言えば、『どんなメロディを歌っても存在感を出せること』と『何を歌ってもその人になること』は、似ているようで全く違います。声が響く場所を知ったり、発声の種類を増やしたりという技術的な改善はできますが、その前段階として『自分のいい歌を響かせたい』のか、『楽曲そのものをよく響かせたい』のかという意識のズレは、なかなか改善が難しい部分です。ダンスでも同じです。

例えば難しいムーブは、取る音がたくさんあったり、パフォーマンスとしての見せ場を作りたいことで結果的に生まれるものであって、技術をひけらかしたりカッコよさを強調する目的のために採用するべきではないんです。そのようなパフォーマンスの意識を持つ方は成長が止まりやすいと思いますし、グループの場合は集団から浮いてしまうことも多いですね。

理想は、個性を大事にすればするほど、グループ全体の意識が音楽に向く形態。僕は、『クオリティファースト』『クリエイティブファースト』『アーティシズムファースト』の3つを掲げていますが、それを総合すると『音楽ファースト』が最も重要だと思います。

その人自身のパフォーマンスから『音楽ファースト』が見えれば、それが研ぎ澄まされたときの形も見えるし、おのおのに足りない課題や技術、必要なトレーニングも明確になってきます。

一方でBMSGとして『Be Myself』を掲げている以上は、僕自身が彼らに対してゴールとなるカラーやコンセプトを設定してしまうのは本末転倒。特に10代の参加者が多いことを考えると、絶対にやってはいけないことだと思っています。翻って言えば、年齢にかかわらず、僕自身が、彼らの成長した姿に責任を持てる方たちが富士山合宿の15人のメンバーです。

様々な国から優秀な選手が集まってきて、共通言語はサッカーだけ。でもチームとして団結力のある強豪チームってあるじゃないですか。そういったボーイズグループを追求していくつもりです。

残っているメンバーを考えると誰を最終メンバーに選ぶにせよ、デビューグループに対する勝算は強くある状態です。これまでなかった唯一無二のボーイズグループになるだろうというワクワク感が本当にあります」

SKY-HI(日高光啓)
 1986年12月12日生まれ、千葉県出身。ラッパー、トラックメイカー、プロデューサーなど、幅広く活動する。2005年AAAのメンバーとしてデビュー。同時期からSKY-HIとしてソロ活動を開始。20年にBMSGを設立し、代表取締役CEOに就任。9月1日から『Dive To World feat. Takuya Yamanaka(THE ORAL CIGARETTES)』配信中。10月27日には約3年ぶりのオリジナル・アルバム『八面六臂(はちめんろっぴ)』をリリース予定。

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(ライター 横田直子)

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