5000万円の売り上げ目標に対して、当初は既存客4000万円、新規客1000万円の実績で達成する計画をたてていたとします。

しかし一番取引の多かった既存客が他社に切り替えたため、既存客2500万円、新規客2500万円になってしまったとします。おそらくそこから現場では、新規客獲得のための取り組みを進めてきたことでしょう。しかし既存客分の売り上げをすぐに補填できるだけの結果はまだ出ていない。

そんな状況で、予測しづらかった変化を踏まえ、新規客獲得のためにどんなことを勧めてきたのかをアピールしましょう。

面談は将来の行動のために使う

そうして、上司との評価結果すり合わせ面談を、下期に向けた対策についての議論の場に変えてしまいましょう。

まっとうな上司であれば、部下の目標達成は、自分の業績達成の一環にもなっているはずです。真摯かつ積極的に議論をすすめていけば、アドバイスだけでなく、予算的な支援を得られるかもしれません。既存客との取引縮小は、上司にとっても悩みの種だからです。

このような取り組みは、心理学的には「ハロー効果」を用いているものです。

ハロー効果とは「一つ良いことがあれば他も良い」と評価されるような心理的な動きのことです。上司が望む取り組みを部下が積極的に示すことで、上司の評価を獲得することになるわけです。

しかしこれは、先述したアンカリングのように、間違っていることをわかっていて高めに自己評価するような、こそくな方法ではありません。今起きている課題を解決しようとする、真摯な取り組みに対する評価を獲得するものです。

重要なことは、あなた自身のより良い活動を通じて成果を生み出し、そのことを認めらることです。

そのために、秋の人事評価を積極的に活用していきましょう。

平康慶浩
 セレクションアンドバリエーション代表取締役、人事コンサルタント。グロービス経営大学院准教授。人事コンサルタント協会理事。1969年大阪生まれ。早稲田大学大学院ファイナンス研究科MBA取得。アクセンチュア、日本総合研究所をへて、2012年から現職。大企業から中小企業まで180社以上の人事評価制度改革に携わる。
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