手当が増えても手取り減…給与の落とし穴

2014/8/25
日経ウーマンオンライン

職場で賢く生き抜くために知っておきたい「ワークールール」と「お金」をテーマに、社会保険労務士の佐佐木由美子氏がそれぞれの「対処法」をお伝えします。今回は「給与の落とし穴」について、お伝えします。

毎月の基本給や手当が少しでも増えたら、うれしいものですよね?

しかし、「手当が増える=手取りが増える」とは限らないことをご存知でしたか? むしろ、減ってしまう場合もあるのです。

天引きされるものをチェックしよう

給与の構成を大まかに見ると、基本給や残業代などの「支給項目」と、所得税や社会保険料など天引きされる「控除項目」があり、そこから「手取り額」が計算されます。

支給項目が多少増えても、控除項目がそれ以上にかさんでしまったら、手取り額は当然ながら減ってしまいます。

それでは、控除項目はどのように算出されているのでしょうか?

ここで注目したいのが、「健康保険」と「厚生年金保険」の社会保険料です。40歳以上の方は、「介護保険料」も発生します。

こうした社会保険料は、原則として4月・5月・6月の3カ月間に支払われた給与の平均額を、一定の等級に当てはめて算出します。この等級によって決められた月給を「標準報酬月額」といいます。

社会保険料は、この標準報酬月額に、健康保険と厚生年金の各保険料率を乗じて計算します。厚生年金保険料は、坑内員と船員を除く一般の方は現在17.120%(これを労使折半)と一律ですが、健康保険料は加入している健康保険組合によって料率が変わってきます。

このように年に1回、社会保険料を見直すことを「定時決定」と言い、9月から翌年8月分まで同じ保険料が天引きされます。しかし、この1年の間に、昇降給などで著しく給与額が変動して、実態にそぐわないケースも出てきます。

そこで、基本給や住宅手当など、毎月固定的に支払われている給与が大きく変動したときに、そこから3カ月の平均額を取って、社会保険料が見直されることがあります。これを「随時改定」と言います。