SKY-HI 審査はプロとしての3要件「心・頭・技」重視連載 SKY-HI「Be myself, for ourselves」(16)

日経エンタテインメント!

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SKY-HI主催のオーディション「THE FIRST」から誕生した7人組ボーイズグループ「BE:FIRST(ビーファースト)」が、8月16日に『Shining One』でプレデビューを果たした。YouTubeのMV(ミュージックビデオ)再生回数がたった2週間で1000万回を突破するという驚異的なスピードで支持を広げている。[「BE:FIRST」や「THE FIRST」についてはこちら

SKY-HI(日高光啓)は新しいボーイズグループ結成のためにオーディション「THE FIRST」を開催した(写真:上野裕二)

今回は、前回「SKY-HI 個々の可能性を育むと決めて合宿参加者を増員」に引き続き、1カ月間にわたる「富士山合宿」にフォーカス。SKY-HIが最重視した合宿には、当初15人が参加し、3つの審査を経て最終審査に臨む10人に絞り込まれた。その基準をSKY-HIがプロデューサーとして振り返る。

合宿の2つ目の課題「擬似プロ審査」には12人が参加。6人ずつの2グループに分かれて『Be Free』と『Move On』というそれぞれのオリジナル課題曲で競い合った。

「本番よりリハーサルのほうが良かった方が少なくなかったですね。『ここが本番ですよ、ここで審査しますよ』と本番が始まると、テンションがガッと上がってしまい、そのぶんピッチがブレたり、振りが雑になる人も目立ちました。アマチュアならそうなるのも仕方ないと言えるけど、プロとしてはダメです。

今回は“擬似プロ”ですが、もしデビューすれば今度こそ本当に、一発勝負の舞台が待ち受けているので。その“テンションの上がり”をコントロールできるのがプロの技術。

僕は『心・頭・技』と呼んでいるんですが、音楽を受け止めて自分のものとして表現する『心』、それをどう表現すればいいか考える『頭』、最後はそれを丁寧にコントロールできる『技』。この3つを備えていることを審査の上で重視しました。

例えば、エモーションが強くなったために、グループとしてのパフォーマンスに諸刃の剣のような影響を与えてしまっている人。(放送の)画面で抜かれた瞬間だけを見るとカッコいいシーンが増えるので一概に悪いとは言えないのですが、全体を見るとそろわない要因を作ってしまっているから(高評価を与えるのは)難しいですね。

また、“(曲の中で目立つ)おいしいパート”を担当しているメンバーは、画面上では良く見えると思いますが、パート決めは適性を見て僕が行っているにすぎないこと。つまり、僕自身がそれによってメンバーの評価を上げるわけにはいかない。

最終的には、個のパフォーマンスが『One for Team, Team for One』に徹しているかを重視して順位づけしたつもりです。同時に、努力する方向性が合っている人、その方向で頑張ればそのまま伸びるであろう人を上位に順位づけしました。努力の方向性自体を少し考え直す必要がある人は、下のほうの順位でコールしたということです」

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「THE FIRST」という現象、彼らの存在を世間に証明し