2021年の東大合格者数は63人で全国9位。都立高校ではいまや押しも押されもしないトップ進学校。戦前は旧制府立一中と呼ばれていた歴史をもつ、日本屈指の超名門校である。1964年には東大に193人の合格者を出しており、67年までは東大合格者首位を独占する圧倒的な存在だった。

しかし東大進学への道が一部の超進学校に寡占されていることに社会的批判が注がれ、東京都は都立高校の入試に学校群制度を導入した。要するに、受験生が自分の志望校を選べなくしてしまったのだ。そこから都立高校の人気は凋落(ちょうらく)した。2000年代に入って都立高校改革が始動。するとめきめきと大学合格実績が上がり、都立復権とまでいわれるようになった。

12年に武内校長が着任すると、日比谷高校は存在感をさらに高める。番組には、その武内校長(当時)がゲストとして参加。武内校長の真摯で情熱的な指導風景が紹介された。

武内校長が着任したとき、角谷アナは高校3年生。日比谷高校の文化祭「星陵祭」名物のクラス演劇に出演していた姿を、武内校長は覚えているという。同じ年、就任したばかりの武内校長を、私も雑誌の企画でインタビューしていた。そのとき校内を案内してもらったのだが、そのどこかに角谷アナもいたはずだ。

角谷アナも日比谷高出身

武内校長は色紙に「人類貢献」としたため、「日比谷高校には、資質・能力の高い生徒さんが集まってくる。その方たちが将来社会に出て、自分の力を出していく。その力を人類に貢献できるように発揮してほしい。そういう人材を輩出し続けていくのが日比谷高校であり、名門校であると考えています」と語った。

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毎回たっぷりと1時間、名門校の魅力に迫る番組だ。20年9月には民放連の「エンターテインメント番組優秀賞」を受けている。ただし、コロナ禍での学校取材は一筋縄ではいかない。学校の先生や生徒が手持ちのカメラで撮影してくれることもある。しかしそれが功を奏し、より学校の素顔に肉薄できることもある。

私自身も取材したことのある学校が多数登場するが、それでも知らなかった一面を知ることができる。「解説」として番組に参加しながら、毎回学びも多い。単なる学校紹介ではなく、「いい学校とは何か?」に迫り、学校を見る目が肥え、学校をますます好きになる番組だ。

超進学校トップ10名物対決 (日経プレミアシリーズ)

著者 : おおたとしまさ
出版 : 日本経済新聞出版
価格 : 990 円(税込み)

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