分水嶺は「月19分の通話」 ドコモ新料金プラン
スマホ新料金プランの「方程式」を読み解く(上)
新プランを他社に先駆けて2014年6月に開始したのがNTTドコモ。新プランのポイントは、通話料が定額で国内は通話し放題となったことと、パケット容量を家族などでシェアできることの2点だ(図1)。そのほか、25歳以下のユーザーや長期利用者向けの割引や特典も用意する。
新プランは基本料と定額通話料が一体となる(図2)。旧プランと比べると、基本料の部分が1957円高くなった(スマートフォンの場合)。この部分を単純計算すれば、月に有料通話が49分以上になるなら、新プランのほうが割安になる。
パケット定額料も含めた月額料金全体で考えるなら、パケット定額料が3500円からと安くなるため、全体の差額は757円に縮小。19分以上有料通話をするなら、新プランが安い。
パケット定額料のプランは、毎月の通信料が2ギガバイトから30ギガバイトまで6種類あり、家族でシェアできるのは10ギガバイトから。シェアする場合、主回線以外は1台500円のオプション料が必要となる。
家族でまとめて新プランにした場合のモデルケースを見てみよう(図3)。夫婦と子供2人の4人の家族ならば、新プランのほうが割安になる。ただし、この比較は旧プランで通話料がゼロだった場合であることに注意。例えば、毎月30分程度有料通話をするなら、3人家族でも新プランのほうが得だ。
タブレットと併用するなら、1人の契約でもパケットパックをシェアできる(図4)。月500円のシェアオプションはかかるが、別々に契約するより安い。
20分の通話なら旧プランが得
旧プランの明細を基に、新プランへ移行した場合をシミュレーションしてみよう(図5)。モデルケースは15年以上の長期利用者で、月に15分30秒有料通話した場合だ。
「基本料+通話料」の部分は旧プランが安く、パケット定額料の部分は新プランのほうが安い。旧プランの長期利用者向けの割引は終了するが、機種に応じて一定額が割り引かれる「月々サポート」は、パケットパックの申し込みで継続が可能だ。
結果は旧プランのほうが安くなったが、今回のケースの場合、23分以上有料通話すると新プランのほうが得になる。なお、ドコモのウェブサイトでも新プランの料金を計算できるので、ほかのケースで大まかな月額料金を知りたいなら利用しよう。
新プランが旧プランよりお得になるケースは図6の通りだ。多くの家族でシェアすればするほどお得になり、割引サービスの適用者がいれば、さらに安くなる。通話が多くて通信量が少ない場合に新プランが有利になる。
新料金に魅力を感じるなら、プランを変更しよう。ただし、2014年9月以降は旧プランに戻れないのでしっかり検討して、後悔しない選択をしたい(図7)。
プラン変更はドコモの「お客様サポート」から、オンラインで手続きが可能だ。プラン変更を検討する際は、普段のパケット使用量を把握しておくことが大事。dメニューの「お客様サポート」で確認しておこう。
(ライター 内藤由美)
[日経PC21特別編集『通信料金がスッキリ下がる本』の記事を基に再構成]
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