育休から復職後の給与大幅減はよくある?
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育児休業取得後に職場復帰する際、出産前と働き方を変える人は多い。短時間勤務制度の利用のほか、子どもの急な病気などに対応できる職種に転換する人もいる。
「ノーワークノーペイの原則により、時短勤務で給与が減るのはやむをえない」と話すのは労務問題に詳しい湊総合法律事務所の野坂真理子弁護士。短くなった勤務時間分も有給と定めている企業もあるが、一般的には賃金は勤務時間に応じて決まる。8時間勤務が6時間になれば所定内賃金とそれに応じて賞与も減るため、年収4分の3程度が目安になる。
もっとも、別の業務で復帰した場合でも、就業規則に規定がなければ会社は一方的に賃金を減額できない。「労働者にとって大きな不利益となる賃金の減額を伴う場合、配置転換は会社の人事権としては相当な必要性や合理性がないと認められず、厳しく判断される」という。過去の裁判例では、就業規則に職能給や役割給、職務給などが明記されているか、その根拠や職務や地位、賃金との連動性が明らかか、などが焦点となった。「時短部分以外の減額がなされた場合、まずはどの就業規則に当てはまるか確認したほうがいい」。納得いかないなら各地の労働基準監督署や弁護士などに相談するのも手だ。
女性のキャリア形成やワークライフバランスに詳しい三菱UFJリサーチ&コンサルティングの矢島洋子主任研究員は、産休取得前に面談などで上司に復帰後の働き方の希望を伝えるだけでなく、「働き方の変更に伴う給与の額について必ず確認することが必要」と話す。
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