道の駅で「マリオット」に泊まる 全国1000室のお得度

岐阜県の道の駅「古今伝授の里 やまと」に併設する「フェアフィールド・バイ・マリオット・岐阜郡上」の外観
日経トレンディ

クルマで近場を旅するマイクロツーリズムの受け皿として、近年急激な進化を見せている道の駅。道の駅を旅の目的地にした場合、食事や買い物の後にホテルまで行くのが面倒に感じるケースもある。そこに目を付けた、世界最大のホテルチェーンであるマリオット・インターナショナルが、道の駅へのホテル併設を進めている。それが「フェアフィールド・バイ・マリオット 道の駅プロジェクト」だ。

マリオット・インターナショナルの「フェアフィールド・バイ・マリオット 道の駅プロジェクト」では、2020年10月に岐阜県の「フェアフィールド・バイ・マリオット・岐阜美濃」「同・岐阜清流里山公園」から始まり、現在は14カ所の道の駅にホテルを併設し、計1000室以上が利用できる。

このプロジェクトは、積水ハウスとマリオット・インターナショナルが各自治体と連携して、道の駅をハブにした「地域の魅力を渡り歩く旅」を提案する事業として始まった。最大の特徴は、施設内にレストランがない宿泊特化型ホテルということ。また、中の浴室には基本的にシャワーしかない。食事などは道の駅を利用し、疲れたらホテルでくつろぐというスタイルを提案する。

フェアフィールド・バイ・マリオット 道の駅プロジェクトのホテル一覧(21年8月時点)。宿泊料金例(1室2人まで)は、21年9月4~5日の1泊料金(会員価格)の最安値を7月中旬に公式サイトで調べたもの。栃木県の3つのホテルは宿泊料金がやや高め

長期滞在するよりは、1泊したら次の道の駅に向かって出発し、数泊で様々なエリアを体験する旅を想定している。20年から始まった第1弾の展開で、中部地方と近畿地方、栃木県に集中してホテルを開業しているのはこのような理由によるものだ。

外資系ホテルであるマリオットがこの事業に興味を持つのは、インバウンド(訪日外国人)の旅行先が変化しているから。最初は大都市の有名観光地を訪れるが、何度も日本に来ているリピーターは大都市以外の地方を旅する傾向がある。国際的に通用するマリオットブランドならば、コロナ禍後はそうしたインバウンドの新規需要を獲得できるのではないかというわけだ。

21年6月開業の「和歌山すさみ」が、海を見ながら入れる温浴施設を併設して、宿泊客以外の利用も可能にするなど、新たな取り組みを始めたホテルもある。25年までに25道府県で計約3000室まで拡大する計画だ。

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