“独断と偏見”の裏で行われた全スタッフとの意思疎通

「5人組だったら(「VSプロアーティスト審査」で脱落した)ルイが入る可能性もありました。もちろん、ほかの課題を無視した場合に限りますが。『今年は無理だろうな、でも最後まで見たいな……』なんて、でも文字通り涙をのんで諦めたわけですけど。そう思い返すと、僕の中で7人組が確定したのは、ルイが今回間に合わないと思った合宿2次の『擬似プロ審査』の練習中ですね。

もちろんルイが理由ではなく、全体のチームワークが本質的だったことが理由ですが。人数が増えれば増えるほど個がそれぞれ輝くのは難しくなりますし、ほかのメンバーが輝くことを尊重することがとても大切になってきます。ここに残っている11人だったら、どの組み合わせでもそれが叶(かな)うのでは、と思えました。各トレーナーともいろいろ話し合ったのを覚えています。

同時に、この時点で本当にダンスの技術に秀でた方々が残っていたんです。ダンスってノンバーバル(非言語)コミュニケーションじゃないですか。言語に頼らず、見る人に訴えかける力がある。だから一番大事な要素の1つではある。合宿が始まった時点で、(BE:FIRSTメンバーに選ばれた)ソウタやリュウヘイは突出してダンスの技術が高かったし、(脱落しながらもダンスの能力に秀でた)ランやテンもいた。

7人にすると決めたことは本人たちに伝えませんでした。1つは、“10人の中から7人”だということを皆が意識してしまうと、ほかの人と自分をくらべて「残る/残らない」みたいな考え方をしてしまう懸念があったから。もう1つは“この中から5人”だと考えると、もう本当にあらゆる可能性があるぶん、彼らもメンバー構成を考えるより自分の課題に向き合うことに集中できるんじゃないかと思ったからです。

もちろん10人から選ぶことは大変と言えば大変な作業なんですが、時間が掛かったかと言えば、意外にそうでもない。10人での最後の合宿が終わってからいろんなパターンを考え、最終のパフォーマンスを見て決めたんですが、想像以上に早く決められました。

最終審査で彼らが2チームに分かれてプレデビュー曲の『Shining One』を披露し、その後に1時間ほど会議がありました。自分の決定を、スタッフたちに説明する場です。僕の独断と偏見で進めるとは言うものの、全スタッフが納得して前向きな気持ちになれるグループを作らないといけない。もし誰か1人でも『そうじゃない』という違和感を感じるなら、僕が『そうでなくてはいけない』と思う理由をもう1度細かく分解して説明していかなくちゃいけませんから。

7人の選考理由の軸の1つは、シンプルに今まで言ってきたような『クオリティファースト』『クリエイティブファースト』『アーティシズムファースト』に合うこと。もう1つは、グループの5年後の形を考えたときに、どうなっているかという点でした。それぞれの選考理由はまた追ってお話ししていきます」

SKY-HI(日高光啓)
 1986年12月12日生まれ、千葉県出身。ラッパー、トラックメイカー、プロデューサーなど、幅広く活動する。2005年AAAのメンバーとしてデビュー。同時期からSKY-HIとしてソロ活動を開始。20年にBMSGを設立し、代表取締役CEOに就任。「THE FIRST」のテーマソング『To The First』が配信中。

【過去の記事一覧と「BE:FIRST」についてはこちら

(ライター 横田直子)

エンタメ!連載記事一覧