壽圭の「シャリ缶 鯛」(160グラム、594円)

大阪の心斎橋で和食店を営む「壽圭」(じゅけい、大阪市中央区)が開発したのは、なんと寿司の缶詰(シャリ缶)。玄米の酢飯の上に、寿司だねがのっており、「鯛(タイ)」、「湯葉」、「但馬牛」、「鯖(サバ)」、「名古屋コーチン」、「鰻(ウナギ)」の6種類がある。

すしやとりめし、カレーまで

「鯛」の缶を開けると、酢のきりっとした匂いと、鯛の香ばしい匂いが立ち昇った。鯛はもちろん生ではなく(缶詰は密封後、殺菌のため加熱するのが定義)、焼き魚に近い食感だ。繊細な身肉がほろほろと崩れ、ほどよい塩味がきいている。酢飯の方はやや甘めで、常温でも食べられる柔らかさになっている。江戸前の握りずしとは違う味で、煮穴子や卵焼きをのせた大阪の箱寿司に近い。

シャリ缶は、新型コロナウイルス禍で客数が減ったため、店の売り上げのもうひとつの柱として開発された。大手ショッピングサイトで扱っているが、たびたび売り切れになるほどの人気商品だ。

サンヨー堂の「弁当缶詰 小型缶 チキンドライカレー」(185グラム、378円)

ご飯缶詰の元祖と言えるのが、サンヨー堂(東京・中央)の弁当缶詰シリーズである。1971年に発売された楕円形の大型缶(内容量375グラム)は、主に自衛隊や自治体の備蓄食向けに販売され、かつては一般の食品店でもよく見かけた。登山やキャンプに行く際には、必ず持っていったものであります。

2015年には内容量185グラムの小型缶がラインアップに加わった。中身は「とりめし」「牛めし」「五目めし」「赤飯」「チキンドライカレー」の5種類で、どれも開ける前に15分間湯せんで温める必要がある。だから熱源と鍋、水のある環境じゃないと食べられないのが、少々難点ではある(耐熱容器に移してラップをし、電子レンジで温めても食べられるが、どちらにしろ温めないとご飯が固くて食べられない)。

僕が一番気に入ったのはチキンドライカレーだ。鶏肉、ニンジン、タマネギ、マッシュルームが入ったほどよいピリ辛味で、何と言ってもご飯のパラパラ食感が秀逸。まるでフライパンで調理したような食感なのだ。

次のページ
SNSで話題の吉野家「缶飯牛丼」