誕生50年、蛍光ペンが進化 イラストや塗り絵にも活躍
今旬ときめきステーショナリー
半透明の蛍光性インクで文字を際立たせる蛍光ペン、ラインマーカー(メーカーによって呼び方が異なる)の新作が続々と登場しています。本や資料で重要な部分をマーキングする時に使うことが多いこのタイプのペンは、1971年にドイツの筆記メーカー、スタビロが世界初の蛍光ペン「BOSS ORIGINAL(ボス オリジナル)」として発売した商品が最初で、今年が誕生50周年になります。スタビロ ボスの登場後も様々なバリエーションの製品が世界各国で誕生しています。ここ数年はマーキングの要素だけではなく、塗り絵のように色を塗ったり、1つで2つの用途があったりと従来の用途に加えて新しい機能が加わった製品が多く誕生しています。今回は進化した最新の蛍光ペン、ラインマーカーを紹介します。
パッケージにこだわった18色の色鮮やかな蛍光ペン
165年以上の歴史を持つドイツの筆記具メーカー「スタビロ」。「STABILO Together(スタビロとともに)」 というスローガンを掲げ、地球環境に配慮した商品やパッケージづくりなど積極的にサステナビリティー(持続可能性)への取り組みを行っています。
今回発売したのが「スイングクール 18色デスクセット」は、世界的ファッションデザイナーのマリーナ・ホルマンセダー氏がデザインしたスペシャルパッケージ。自身の名前を冠したブランド「マリーナ・ホルマンセダー」は、レディー・ガガ、リアーナ、テイラー・スウィフトなど、世界的アーティストに愛されています。この製品はスタビロの人気の蛍光ペン「スイングクール」が全色そろった初のセットで、価格は2970円(税込み)です。
「スイングクール 18色デスクセット」は、おうち時間が増えている中、使う人の気持ちを盛り上げ、描く色の表現など創作の意欲を高めてくれるセットです。パッケージは折り込むと簡単にスタンド型に組み立てることもできます。ペンの出し入れがしやすい上、置くだけでおしゃれなインテリアにもなります。商品のパッケージは主に紙が使われており、地球にやさしいエコ素材です。98年に世界の筆記具ブランドで初めてFSC認証(適切に管理された森林から調達した木材に与えられる森林の国際認証)を取得した、環境への意識がとても高いブランドです。
「スイングクール」はキャップ式の蛍光ペンです。四角いスリムなボディーが特徴で、持ち手部分に滑り止めのグリップがついて書きやすくなっています。クリップ付きなので手帳やノートに挟んで使えます。ペン先4ミリとマーキングに適したサイズです。アンチドライ製法が採用されているため、キャップを4時間はずした状態でも乾かず書き続けられるのも特徴です。インスタグラムをはじめとしたSNS(交流サイト)上で、オブジェとしても映えること間違いなしの大注目蛍光ペンです。
輝くような発色のネオンカラー8色と、やさしい色味のパステルカラー10色の全18色。パッケージをデザインしたデザイナーのホルマンセダー氏は「デザインスケッチの色づけには、スタビロ の蛍光ペンを使用している」と語っており、文字を強調するだけでなくドローイングや、塗り絵など、さまざまなシーンで使えるのがスイングクールの最大の魅力です。
1つのペン先で2つの用途に使える
本や資料で重要な部分をマーキングするときは、ラインマーカーで線を引き、補足説明などは別の細いペンを使うなど、メモの内容に応じてペンを持ち替えて使いませんか? 持ち替えに時間がかかったり、ペンを複数持つので荷物が増えたり……という悩みを解消してくれるラインマーカーがサンスター文具(東京・台東)の「Ninipie(ニニピー)」です。
「Ninipie(ニニピー)」は、 1つのペン先にペンとマーカーの2種類のペン先が搭載されています。「ペンで書く」と「マーカーで引く」という2つの機能を1つのペン先に集約させることで、ペンを持ち替える煩わしさを解消してくれます。カラーは全6色で価格は各220円(税込み)です。
キャップを外すとペン先が、ライン用のマーカーとニードルタイプのカラーペンチップの2つに分かれています。マーカーとニードルが出ている方向が違うので、使いたいペンの方向に回転して使います。
文字を書くときはニードルペンを使います。太さは0.5ミリなので細い線もしっかり書けます。次に気になるところをマーキングしたいと思ったらクルッと180度ペンを回転させるだけ。
ラインマーカーとして大事なところを目立ちやすいようマーキングできます。1本で2役として使えるので、資料にマーキングしながらメモを書き込むといった用途に最適です。
ペンのカラーは6種類。それぞれの組み合わせは「ライトピンク×ピンク」「ライトイエロー×イエロー」「ライトブルー×ブルー」「グレー×ブラック」「ライトグリーン×ピーチピンク」「ライトバイオレット×ネイビー」。ニードルペンとマーカーペンでインクが異なるので、マーカーを引いた上からペンで文字を書き込むこともできます。基本的に同系色で濃い色と薄い色の組み合わせがメインです。ただし、「ライトグリーン」は細字がピーチピンク、「ライトバイオレット」は細字がネイビーと別カラーが使われているので、特にメモや注釈が入れやすい組み合わせになっています。
スタンプの上から色を塗れる にじまないカラーペン
手帳やノートにスタンプを活用する人も増えてきました。スタンプの絵柄がTODOリストや1カ月のスケジュールといったフォーマットになっているものが多く、スタンプに文字を書き込むだけで、やることや予定を管理できます。スタンプの上からメモをしようとマーカーで色を塗ると、どうしてもにじんでしまいペン先が黒く汚れてしまった経験はありませんか? そんな悩みを解消してくれるのがデザインフィル(東京・渋谷)のブランド「ミドリ」の「ペインタブルスタンプ カラーペン」です。
ペインタブルスタンプ カラーペンは、スタンプをきれいに彩るカラーペンの6本セットです。独自に開発されたスタンプ専用の水性顔料インキが使われているので、同じくミドリから発売されている「ペインタブルスタンプ 回転印」や「ペインタブルスタンプ 浸透印」のスタンプを押した上から色を塗ってもにじみません。カラーはリラックス、ポジティブ、ハッピーの3つをテーマにしたそれぞれ6本入り。ケースはペンスタンドとしても利用できます。価格は各1320円(税込み)です。
ペンは2way仕様になっており、色を塗りやすいブラシタイプの筆先と、細かな部分へ書き込みやすい 0.5ミリ の太さのペン先を1 本で楽しむことができます。ブラシタイプは、しなるように書けるので力の加減によって線の幅を調整できます。
もちろんカラーペンとして使うことができますが、別売りのペインタブルスタンプ 浸透印を押した上からペインタブルスタンプ カラーペンで色を塗ってデコレーションを楽しむことができます。一般的な水性ペンの場合、スタンプのインクが溶け出して色が混ざってしまうことがあります。しかし、このカラーペンは独自に開発したスタンプ専用の水性顔料インキが使われているので、にじみにくく裏抜けしにくくなっています。このため、スタンプを押した上から色を塗り重ねても色が混ざらずにインクのカラーを楽しめます。
カラーは、グリーンやパープルなど落ち着いた色が多い「リラックス」、明るい気持ちにさせてくれる「ポジティブ」、ピンクやイエローなどポップに使える「ハッピー」の、気分をモチーフにした3 種類。セットになっている6 色は、それぞれまとまりのある色合いで構成されています。濃すぎず優しい色味が特徴です。
マーキングだけではない用途が広がる
ラインマーカーはビジネスや勉強のシーンで使われることが多く、主に重要な箇所に線を引いて目立たせる用途で使われてきました。近年、テレワークやおうち時間が増える中で、マーカーとしてだけの使い方ではなく、おしゃれな文字をフリーハンドで書くハンドレタリングや、数年前から話題のバレットジャーナル(箇条書きで様々なことを書き出すアメリカ発祥の手帳術)に添えるイラスト、そして塗り絵など、様々な新しい用途として活用されています。カラフルに描くことがストレス発散や趣味としても広がっているので、これまでと違ったラインマーカーの楽しみ方を試してみてはいかがでしょう?
(文/写真 やまぐちまきこ)
年間300万PVを超える人気ブログ「フムフムハック」の編集長。文房具を中心に「読んでフムフム・ワクワクする」コンテンツを発信。雑誌やWEBで文具ライターとしても活躍中。フムフムハック:https://www.fumufumu89.com/
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