2021/8/16

トップストーリー

■7位 レインボーブリッジ
東京都 410ポイント 巨大都市東京の夜景が絶品
首都高速道路提供

首都・東京のシンボルの一つ。都心への交通の集中を緩和するために建設されたが、いつしか東京の名所に。首位に推した菰田さんは「走って良し、眺めて良し」と評価する。ビルに明かりがつく日没時には「巨大都市東京の美しい姿が橋の上から眺められる」。東京タワーや高層ビル群の都会の夜景は「100万ドルならぬ300万ドルくらいの価値がありそう」(吉田さん)との声もあがる。

橋自体のライトアップも美しいが「夜間のドライブで周囲に広がる光は、まるで電脳都市」(藤島さん)。御領原さんは「海と高層ビルなどが織りなす景観は東京らしさを感じられ、わくわくしながら車窓を楽しめる」と推す。

(1)東京・港(2)1993年(3)798メートル

■8位 東京湾アクアブリッジ
千葉県 320ポイント 東京湾の360度パノラマ
東日本高速道路提供

東京湾を横断する東京湾アクアラインを構成する日本一長い橋。「視界を遮るものがないため、360度の東京湾のパノラマをゆっくり楽しめる」(掘井さん)。開放的な海を渡る爽快感はたまらない。「木更津から川崎方面に走っていると左手には横浜の街並みや富士山が、右手には東京スカイツリーが、そして頭上には羽田空港に着陸する飛行機が迫ってくる」(掘井さん)

「長い海底トンネルを抜けたときの別世界感、達成感など様々な楽しみ方ができる」(御領原さん)。「天候や海況によって雰囲気が変わって楽しい」(国沢さん)との声も。人工島・海ほたるには東京湾を一望できる展望台もある。

(1)千葉県木更津市(2)1997年(3)4.4キロメートル

■9位 東京ゲートブリッジ
東京都 290ポイント 飛行機と共に駆け抜ける
東京都港湾局提供

そのいかつい奇抜な容貌から「恐竜橋」「ザウルス」の愛称でも親しまれる、東京・湾岸の新名所。お薦めのドライブデートコースだという吉田さんは「夕方は羽田空港方面に向かうと景色が開け、大きな夕日が沈むところが見られる。タイミングが良ければ真上を飛行機が通る」という。

船舶を通すために中央部が盛り上がっており「ジェットコースターのようにのぼっていく。西に向かって走る時、頂上付近から見る景色は新しい都会の姿」(菰田さん)と、レインボーブリッジとはひと味違う東京の風景を楽しめる。

(1)江東区若洲~中央防波堤外側埋立地(2)2012年(3)2618メートル

■10位 横浜ベイブリッジ
神奈川県 280ポイント 港町横浜の美しさに見とれる
首都高速道路提供

港町横浜を代表するだけあって「みなとみらいエリアを象徴する横浜ランドマークタワーや大観覧車などの景色をダイナミックに望むことができ、客船や運搬船が行き来する様子を眺められる」(藤島さん)。観光都市・横浜ならではの、首都・東京とは異なる都会のドライブが楽しめるのが魅力だ。

菰田さんは夕暮れ時に渡るとみなとみらいの街並みの美しさが強調され「大黒パーキングエリアから、下から見上げる橋全体の景色もいい」と薦める。9月5日まで東京五輪・パラリンピックの特別ライトアップを実施中。「豪華客船や大型貨物船が通過する姿は大迫力」(古谷さん)で港の風情が感じられるドライブになるだろう。

(1)横浜市(2)1989年(3)860メートル

全国で出合える技術と美の融合

海にかかる橋を渡っていくドライブは爽快そのもの。憂さやストレスからひととき解放される瞬間はたまらない。コロナ禍の今は写真で眺めるしかないが、いつか訪れたい橋を取り上げた。

長大な橋の数々には、建設当時の最新の技術が投入されている。東京湾アクアブリッジを含む東京湾アクアラインは、多くの新技術や新工法が実用化されたことから「土木のアポロ計画」と呼ばれた。その総事業費は約1兆4400億円にのぼる。

国内には北海道から沖縄まで、ドライブに最適で風光明媚(めいび)な海上にかかる橋はたくさんある。北海道の室蘭には「湖畔にたたずむ大きな白鳥のような美しさ」(ミズサワカノンさん)という白鳥大橋があり「夜間に走ると幻想的で不思議な感覚を味わえる」。鹿児島県には2020年に県内一長い甑(こしき)大橋が開通し「長いトンネルを抜けた瞬間に海の上。秘境ムードが満点」(bowさん)と注目されている。沖縄県宮古島には伊良部大橋以外にも離島をつなぐ池間大橋や来間大橋など、鮮やかなエメラルドグリーンの海の上をドライブできる長い橋がある。

■ランキングの見方 橋の名称と所在する都道府県。数字は専門家の評価を点数化。(1)所在地(2)完成・開通年(3)長さ。写真は1、3、5位がPIXTA、2位が宮古島観光協会、4位が本州四国連絡高速道路、6位が今帰仁村観光協会、7、10位が首都高速道路、8位が東日本高速道路、9位が東京都港湾局提供。

■調査の方法 橋やドライブに詳しい専門家の協力を得て、全国27の海上の橋を選出。11人の専門家が1~10位まで順位付けし、編集部で集計した。

■今週の専門家 ▽国沢光宏(自動車ジャーナリスト)▽菰田潔(日本自動車ジャーナリスト協会会長)▽御領原勇己(JTB国内仕入商品事業部)▽平野暉雄(公益社団法人土木学会フェロー)▽藤島知子(モータージャーナリスト)▽古谷充孝(阪急交通社岡山支店支店長)▽bow(トラベルライター)▽掘井滋則(日本橋梁建設協会設計東日本部会長)▽ミズサワカノン(トラベルライター)▽藪下秀樹(宝島社「日本の絶景 最新版」「一生に一度は見たい絶景100選」担当編集)▽吉田由美(カーライフ・エッセイスト)=敬称略、五十音順

(高橋里奈)

[NIKKEIプラス1 2021年8月14日付]