三菱鉛筆の最新機能ペン 字がきれいに、暗記に最適
新型コロナウイルス禍で在宅勤務の機会が増え、自宅用に筆記具を購入する機会が増えた人も多いだろう。せっかくなら、お気に入りの商品を使って楽しく仕事がしたいものだ。そこで、芯が回ってとがり続けるシャープペンシル「クルトガ」を生んだことで知られる三菱鉛筆に、最新機能を備えたシャープペンシルとボールペンなどを聞いた。
文字を書く人たちの「救世主」に進化版
2008年に発売された「クルトガ」。芯が回ってとがり続ける画期的なシャープペンシルとして、受験生やビジネスパーソンなどたくさん文字を書く人たちの救世主になったレジェンド商品だ。「アドバンス」は、そのクルトガがさらに進化したシャープペンシル。クルトガの2倍の速さで芯が回ることで、芯がとがっていくスピードが速くなった。
パッケージには「キレイな文字が書ける」とキャッチフレーズが書かれている。
「普通のシャープペンシルは書いているうちに芯の片側だけが減って、次第に文字が太く薄くなることが多い。一方、アドバンスは芯が回るので、どれだけ書いても太さも濃さもあまり変わりません。これがきれいな字に見える秘密です」(同社広報)
黒が濃く、暗記にぴったりなボールペン
続いて20年に発売されたボールペン「ユニボール ワン」だ。色材が紙の繊維に浸透しにくい新開発の顔料を使用する。普通のボールペンに使われるゲルインクに比べて、黒は濃く、ほかの色も鮮やかに書けるのが特徴だ。
特に黒は、濃いとこんな効果も。
「立命館大学総合心理学部で、高校生を対象に認知心理学の実験を行ったところ、濃い黒インクで書かれた文字のほうが、従来品で書かれた文字より、記憶に残りやすいことがわかりました」(同)
つまり、暗記ノートなどに書き込むのにはぴったりなボールペンということ。資格試験の記憶系の勉強などに最適なほか、どんなメモでも記憶に残りやすくなって困ることはない。色がビビッドに出るという、ほかのカラーもあるので、アンダーラインなどに使えばさらに記憶しやすさがアップしそう。ボール径0.5ミリメートルと0.38ミリメートルがある。
インクの出し方を工夫したボールペンもある。加圧ボールペン「パワータンク」だ。ボールペンは基本、ペン先を下にしないと書けなくなることが多い。ペン先のボールに、重力で下りてきたインクを乗せて書いていく仕組みだからだ。
インクを加圧してボールに送り込み、逆さにしても書けるようにしたのが「パワータンク」。ボール部分はミクロの突起がインクをかき出し、紙をがっちりグリップするスパイクボールになっていて、カレンダーなど垂直な面への書き込みもキレイに書ける。インクが出にくくなる水にぬれた紙や、氷点下の場所などでの筆記も可能になるほか、カラーコピーなどのツルツルした紙にも書き込みやすいという。
油性ボールペンで世界最小、超極細のボール径
油性ボールペンでは世界最小、超極細のボール径0.28ミリメートルを実現したボールペンが「ジェットストリーム エッジ」だ。同社の同じボール径のゲルインクボールペンと比べると、描く線の幅はより細くなる。
低粘度油性インクの「ジェットストリームインク」を使用しているため、濃くはっきりとした描線を、なめらかに筆記することができる。実際に書いてみると、たしかに筆者が持っているボールペンでは見たことがない、線の細さ。パソコン(PC)やスマートフォンを使わずに、何でも紙にペンで書いていた時代から比べると、決まったスペースに文字をぴったり配分して書くことが下手になった気がするが、これなら小さい文字もきれいに書けるので、はみ出し対策にも効果がありそうだ。
「線が細いので、イラストを描かれる方にもご愛用いただいています」(同)
「10数年前から経費削減で会社支給の文具が減った企業も多く、自費で買うなら多少高くても長く使える、デザイン性の高い文具がほしいと考える人も増えている」と同社。
そんな需要に応えた文具も人気になっている。例えば「ジェットストリーム プライム 回転繰り出し式シングル」は、高級感あるフォルムに、ダークオリーブなどユニークなカラーを特徴とするボールペン。濃くはっきり書けるジェットストリームインクを採用するなど、最新機能も完備する。
また同じ「ジェットストリーム プライム」では、黒、赤、青の3色が1本に入った3色ボールペンも、太いと決まっていた3色ボールペンのイメージを覆すスリムなフォルム。色だけでなく、表面の質感もバリエーションがあり、いつも身近に置いておきたいお気に入りの1本が見つかりそうだ。
ペンだけでなく、シャープペンシルの替芯ケースも、デザインにこだわった商品が登場している。「シャープ替芯 ユニ」は、こすれに強く、マーカーを引いてもにじみにくいなど、多機能が特徴のシャープペンシル用の替芯。ケースは、これまで替芯ケースではほとんどなかったオフホワイトを基調にしたシンプルなデザインで、スライド式で芯を取り出しやすいという使い勝手の良さもある。
日々進化しているペンの世界。機能やデザインにこだわって、仕事環境を充実させよう。
(ライター 福光恵)
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