クリスティーナ・アメージャン一橋大教授「オジサン社会に変化」

日本で女性の社会進出はどこまで進んできたのでしょうか。三菱重工業などで社外取締役を務めてきた一橋大学のクリスティーナ・アメージャン教授に聞きました。

――10年ほど前に日本の会社を「オジサンの海」と評していましたが、変わってきましたか。

一橋大のクリスティーナ・アメージャン教授

「会社によるでしょう。私が取締役を務めた三菱重では、法務や研究部門に加え、ヘリコプターを作る工場などでも女性が目立つようになりました。私の知っている会社では『オジサンの海』はなくなってきているように思います」

――データ上では女性の役員比率などが先進国で最低水準です。

「確かに日本は女性登用が早く進んでいるわけではありませんが、全く進んでいないわけでもありません。社会の事情もあるので、いきなり欧米並みになるのもおかしいでしょう。それに日本の会社は長くモノカルチャー(単一文化)のオジサン組織でした。そこに女性や外国人がいきなり入ってもうまくいきません」

――どうしたらうまくいくのでしょう。

「自分たちは何を目指し、そのためには何が必要かと基本的な戦略を考え直すことです。デジタル化に適応する人材がほしいなら、日本の高学歴男性よりもインドの若者を採用した方がよいかもしれません。根本的な組織改革ができれば、女性の活用もうまくいくはずです」

――それで業績も上がりますか。

「女性活躍と業績を結びつけるのはもうやめた方がいいでしょう。そもそも人類の半分のタレント(才能)しか使えない組織がうまくいくはずがないのです。日本のオジサンだけで明日の業績はよくできても、長期的には無理です」

――日本の政治の場への女性参加をどう見ますか。

「こちらは全然変わっていません。国会に女性が少なすぎます。専門知識が必要な企業の取締役会に一定の女性割合を義務化するのには反対です。しかし国会では『3割は女性』など数値を義務付ける措置(クオータ制)が必要だと思っています。国民の半分は女性なのですから」

(高橋元気)

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