フリーランスの経営幹部続々 財務、人事でスキル発揮エグゼクティブ層中心の転職エージェント 森本千賀子

在宅勤務の広がりはフリーランスCxOを登場させやすくしている(写真はイメージ) =PIXTA
在宅勤務の広がりはフリーランスCxOを登場させやすくしている(写真はイメージ) =PIXTA

「組織に縛られず、自由に働きたい」――。ずっと以前からあった志向ですが、近年、実現可能性が高まっています。終身雇用が崩壊していく中、企業の人材活用は流動化が加速しており、業務委託や副業者の受け入れ門戸が広がってきました。フリーランス人材と企業のマッチングサービスも拡大。「自由に働きたい」スペシャリストにとって追い風となっています。

40代以上では実際にフリーランスに転向するビジネスパーソンが増え、20代~30代の若手からも「いずれはフリーランスで働きたいが、そのためにはどんな力を身に付けておけばよいか」という相談をよく受けるようになりました。ビジネス系フリーランスは多くの職種カテゴリーで増加していますが、特に顕著なのが「ファイナンス」「人事」の分野です。

日々の業務の運用だけに限らず、成長途上のベンチャー企業が、フリーランス人材を「CFO(最高財務責任者)」や「CHRO(最高人事責任者)」として業務委託の形で迎えるケースが増えています。

発展性があるベンチャー企業では、新規株式公開(IPO)を1つのマイルストーンとして経営計画を遂行していきます。そのためには、資金調達はもちろん、上場企業にふさわしい労務・人事制度の整備、事業拡大を支える人材採用が必須。しかし、経営陣には技術・マーケティング・企画・セールス系の人が多く、ファイナンスや人事の分野には疎いケースが多いのです。

感度が高い経営者はファイナンス面も自ら手がけたり、人への思いが強い経営者は人事制度設計や採用を自分の手で行ったりすることもあります。しかし、組織がある程度成長し、ステージアップの局面を迎えると、経営者は経営に集中してコミットすることを期待されます。より専門性が求められることもあり、やはり誰かに任せなければなりません。

こうした成長の重要局面で、経営に大きな影響を及ぼす重要なアセットである「お金」「人」の施策を担うわけですから、ミッションの難易度は高い。けれど、それだけの能力を備えた人材をフルタイムで雇用するとなると、報酬が高く、コストがかさむ。しかも、フルタイムで従事してもらうほどの業務ボリュームはない――。そこで、高度なスキルを持つ人材を「業務委託」で活用するケースが増えているというわけです。

業務委託の場合、稼働は、例えば週に1~3日程度。あとは随時、チャットやメールで相談に対応するといったスタイルで働きます。

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限定された期間、難易度が高い業務を担い、体制を整える
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