転職後の年収を巡る現実

――自己分析の次のステップとしては、何をすればいいのでしょうか。

自己分析の結果、自分の「やりがい・苦痛・得意・不得意」が把握できたら、次に挙げるような求人を見つけていきましょう。

・やりがいの再現性が高く、頻度も高い仕事

・苦痛が少ない仕事

・得意が生かせる仕事

・不得意な業務が少ない仕事

このような求人を見つけていけば、入社後に定着・活躍できる可能性が高いということになります。

――転職するときの目的として、年収をアップさせることは、どの程度重視したほうがいいのでしょうか。

仕事選びにおいて年収は重要なテーマだと思いますが、厚生労働省が毎年出しているデータを見てみると、転職を通して年収が上がった人は全体の4割程度です。6割の人は現状維持か年収ダウンしています。これが事実なんです。

年収を下げてまで転職をするかどうかについては、「自分にとって何が一番重要か」を、自己分析で明確にしておくことです。損しかないと思うと、身動きがとれなくなってしまうと思います。

――人それぞれ、自分なりの働き方と幸せのあり方があると思いますが、キャリア形成についてどう考えれば幸せに近づけると思いますか。

「成功」と「幸せ」は分けて考えるといいと思います。市場の中で自分の価値を高めて成功をつかむためには、到達点が明確なので、論理的に逆算してどんなスキルや経験を積み上げればいいかを考えればいいと思います。一方、「幸せ」は主観の話なので、「これをやりたい」「ここにこだわりたい」と自分が思うことを選べるかどうかです。

「幸せ」の切符として、最低限の「成功」を積んでいたほうが、自分の望むことを選べる権利を得やすいということだと思います。

――最後に、キャリアについて真剣に考えている人に応援メッセージをお願いします。

変化の時代の中、多くの人はその変化に瞬発的に対応することは難しいと感じていると思います。自己責任の時代だと言われて、不安になっている人もいるかもしれません。しかし、捉え方によってはチャンスだと思います。たとえば、大企業にはこれまで、終身雇用の代わりに強力な人事権があり、いきなりの転勤・ジョブローテーションとかで、働く人はしばられていた面もあったと思います。これからは、自分の人生は「自分で選べる」「自分で決められる」時代になります。そのような視点で、ぜひ前向きにキャリアを考えてみていただきたいと思っています。

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