子どもの昼食代の予算はいくら?
では、子どもの昼食代の予算はいくらと決めるとよいでしょうか。これはお子さんの人数などにより異なるので、一概には言いにくいところです。
食費の総額としては、自宅で食事をとる人が増えても、食費は通常時の10~20%程度の増加に抑えたいもの。通常の食費には子どもにかかる食費も含まれているでしょうから、家にある食材も利用しながら昼食をとるイメージで、予算を決めていきます。
月単位だと予算管理も大変です。1週間分の予算を考えたいのですが、その金額は子どもと相談して決めましょう。例えば親が仕事で不在にする日数が、週に5日だとします。この5日のうち、何日程度お弁当などを買って食べるのか。作り置きの予定などと合わせて検討します。
もし、週に3回程度の買い物を見込み、2000円を1週間の昼食の予算とするなら、1回600円強の予算です。ですが、作り置きや自宅にある食材と組み合わせて不足分だけを買うなら、600円も使わない日もあるでしょうし、もしかすると「余り」が出るようなやりくりができるかもしれません。そしてこの余った金額は、子どもがためてもよし、使ってもよしの自由にできるお金に位置付けておくのです。
昼食を買った日は、お金が余ることを期待して極端に節約したり、偏った食事になったりしないよう、今日はどんな昼食を、どのようにして食べたかを聞くようにしましょう。褒める部分もあるでしょうし、他にできそうな工夫などを教える機会にもできます。
もし、親が毎日昼食持参で出勤するので、昼食は作りおき中心とか、親は子どもとずっと一緒に自宅にいるという場合は、いつもの食費の予算を変えずに、子どもと一緒に管理をしてみましょう。時々の「昼食買い」も、その予算の中で。家族の予算の中で工夫して食べられたということは、子どもの自信にもつながることでしょう。
使えるお金に「枠」があることを意識し始め、残れば自由に使えるということを知ると、子どもは思いもよらない「工夫」をすることがあります。小学校高学年や中学生なら「出来合いのものは高いから、味付けのしてある肉を焼いて、兄弟で分けて食べよう」などと、お弁当を買うよりも作ったほうが安くてたくさん食べられると考えて、自分で調理をしはじめます。この場合は火の元が心配ですが、使い方と注意点をきちんと伝えたり、電気調理器を使ったりすることで対応できるのではないかと思います。
生活力と金銭教育につなげたい
このようなことをしていくと、次第に子どもは食品の大まかな価格を把握したり、買い物の大変さや買い忘れをしない工夫など、いろいろなことを覚えます。やりくりをすることは子どもの金銭教育になります。限られたお金の中で、おなかいっぱい食べるにはどうしていくとよいのかを考え、実行することは、生きていく力を育てることにもなります。
もしかしたら、思うように食費が抑えられない可能性はあります。それでも支出を抑えたいという姿勢を親が見せていけば、夏休みの後半に、または翌年の夏休みには、親の思いに応えようとする行動がみられるかもしれません。
夏休み中の食費削減には、節約料理をはじめ、いろいろな工夫がいわれています。子どもを食費管理に巻き込むことも、1つの方法だと知っておいてください。子どもの力は思いがけないところで発揮されます。それは親にとっても学びになることが多いのです。
