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米西海岸沖に現れたUFO「チクタク」 目撃者の証言

<検証>米国「UFO報告書」第1回

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NIKKEI STYLE

ナショナルジオグラフィック日本版

米国家安全保障当局は2021年6月25日、未確認飛行物体(いわゆるUFO)の一連の目撃事例に関する報告書を議会に提出した。これまでほとんど重要視されてこなかったこのトピックが、正式な調査対象として受け入れられたことを示す画期的な出来事だ。

国家情報長官室が作成したこの文書は、不可解な遭遇事例について新たな情報を提供している一方で、多くの重要な疑問は未解決のまま残されている。そこで、目撃者の証言を含め、いくつかの興味深い遭遇事件を詳しく紹介しつつ、これから3回に分けて報告書を検証してみたい。

海軍のパイロットをはじめとする軍人たちは、何十年も前から謎めいた飛行物体を目撃してきた。海軍のタスクフォースが調査した04年から21年までに起こった米政府関係者による目撃事例は144件にのぼる。しかしその正体は国防総省にもわからないという。

米情報機関では、今後はUFOという言葉は使われない。新たな名称は「未確認空中現象(Unidentified Aerial Phenomenon、UAP)だ。名称変更は、米政府がこうした謎めいた目撃事例を真剣に受け止めていることを示唆している。

議員しか閲覧できない機密事項にもふれている同報告書には、17年に設立された国防総省のUAPタスクフォースによる調査結果が詳細に記されている。奇妙で見慣れない飛行物体の数々は、パイロットによって目撃され、レーダーや赤外線センサーによって記録されてきた。

現代航空史におけるとりわけ有名なUAP遭遇事例の数々、たとえば04年、14年、15年に発生した、パイロットによる目撃情報、レーダーの追跡情報、映像にとらえられた物体などの証拠は、未解決のまま残されている。

UAPタスクフォースはこうした事例について、自然の大気現象、誤認された民間航空機、レーダーの誤作動といった一般的な解釈を検討したが、しぼむ気球が原因と特定された1件を除き、「現在のところ、われわれのデータセットには、事件を特定の説明に帰するに足る十分な情報がない」と報告書にはある。

たとえ答えは書かれていなくとも、この報告書は、空中で未知の物体を目撃した軍人にとっては歓迎すべきものだ。「わたしたちは非常に大勢の人から嘲笑され、ばかにされてきましたから、こうして人からまっとうな質問をされ、真相の究明に興味を持ってもらえるのは喜ばしいことです」。04年にUAPを目撃した元海軍パイロット、アレックス・ディートリック氏はそう述べている。「そしてもちろん、わたしたち全員が心の底では、これは国家安全保障に対する脅威なのだろうか、という危機感を覚えています」

現在、米国の多くの政府関係者が同じ疑問を抱いている。16年前にディートリック氏が空中で見たものをきっかけとして、その後さまざまな出来事をへて、未確認飛行物体目撃についての議論は一変することになった。

2004年、カリフォルニア沖に突如出現

04年11月14日、空母ニミッツの飛行甲板の端に向かって戦闘機F/A-18スーパーホーネットを時速240キロまで加速させると、ディートリック中尉の体はコックピットシートに押し付けられた。アフターバーナーを噴射して轟音(ごうおん)を上げながら空母を飛び立ち、日課の派遣前訓練を開始する。場所はカリフォルニア州カタリナ島の沖合だ。

ニミッツの甲板を離れた直後、中尉は海の上に浮かぶ楕円形の物体に気がついた。その物体はふいに動き出し、海の150~300メートル上空を、時速約900キロで滑るように移動した。戦闘機に搭載されたレーダーはその物体を検出できなかったが、後部座席にいた兵装システム士官(WSO、名前は非公開)もそれを見ており、大声を上げた。

「わたしたちはお互いに見えているものについて叫び合い、ほかの人たちも見ているかどうかを確かめようとしました」。03年3月に飛行訓練を終えたばかりで、04年当時は新米パイロットだったディートリック氏は言う。「あまりにも不規則な動きで速いので、自分たちの声も、考えも、無線での通信も追いつかないくらいです」

「われわれ軍人は、飛行物体を瞬時に分類できるよう、目と精神を鍛えています。わたしたちはそこに乗り物が、航空機があるのを見ました。そしてその瞬間に、これは自分が知っている乗り物でも航空機でもないと思ったんです」

ディートリック氏の後ろにも後から発進したスーパーホーネットが飛んでおり、うち一機にはパイロットのデビッド・フレイバー中佐とWSOのジム・スレート少佐が、もう一機にはチャド・アンダーウッド少佐と、もう一人(氏名不明)が乗っていた。

何かがあるという警告を受けたアンダーウッド氏は、前方監視用の赤外線カメラでその機体の撮影に成功した。全長12メートルほどで、丸くなめらかな形状をしたその物体は、すぐに「チクタク」という通称で呼ばれるようになる。

 ディートリック氏はこのとき知らなかったのだが、同じ空域では数日前から正体不明の物体がレーダーに映っていた。ニミッツとともに訓練を行うミサイル巡洋艦プリンストンに搭乗していたギャリー・ボーリス三等兵曹は、ディートリック氏のフライトの4日前にあたる04年11月10日、レーダー画面に何かが現れたのに気がついた。

ボーリス氏は当時、海軍入隊から6年目で、プリンストンの戦闘システムのうち2つを担当する技術者だったが、このとき彼が目にしたのは考えられないような現象だった。わずか数秒のうちに、ある物体が高度1万8000メートルから海面すれすれまで降下し、ホバリングした後、高速で飛び去っていったのだ。その物体が何度も直角に曲がったのも不可解だった。

「艦長に報告を上げるまでに、システムを3度チェックしました」とボーリス氏は言う。「すべてが完璧に作動していたのが、なおさら不気味でした」

ニアミスを報告した事例は11件

奇妙な物体は数日間、繰り返し現れた。ボーリス氏は自分の目で確かめようと、当直士官にレーダーの情報を尋ねて双眼鏡をどこへ向ければよいのかを確認した。「それは水平線の上に見えました。昼も、夜も見ました。輝きを放っていたことは確かです。それがわれわれの追跡していたものかと聞かれれば、断言はできません。しかし、わたしはただ情報どおりの方角と高度の位置を見ていただけであり、その物体はまさしくそこにあったのです」

レーダーによる証拠があったにもかかわらず、ディートリック氏とWSOが目撃したものを報告しても、上官らはほとんど気に止めず、宇宙人についてのジョークを言っただけだった。

「帰艦した後で乗組員たちに笑われ、相手にしてもらえなかったとき、わたしはこう思いました。『つまり、彼らはあれがなんだか知っているんだ。あれは自軍(合衆国や同盟国)の何かのシステムで、われわれは誤ってその試験領域に誘導されてしまったのだろう』と」

もしそうであれば、何の警告もなしにそうした空域に入るよう命じられたのは納得がいかないと、ディートリック氏は腹を立てていた。フライトの前に、パイロットは空気の湿度から鳥の目撃事例まで、環境に関するあらゆる情報の説明を受ける。ボーリス氏をはじめとするレーダーオペレーターたちが、奇妙なエコーを何日も前から追跡していたこと、そして海軍の上官たちが、そうした異常については何も言わずに訓練飛行を開始したことを、ディートリック氏は今では知っている。

謎の物体に対処する能力が欠けていたせいで、ディートリック氏は遭遇に備えられず、衝突の危険にさらされた。報告書は「UAPは明らかに飛行の安全にかかわる問題を提起しており、米国の国家安全上の課題となる可能がある」と述べ、「パイロットがUAPとのニアミスを報告した11件の事例」があったことを認めている。

(文 JOE PAPPALARDO、訳 北村京子、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2021年7月4日付]

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