理由1:キューブの進化

まず重要なのが、キューブ自体の進化だ。指先で細かく動かすパズルゲームにおいて、キューブを回転させるときに少しでも引っ掛かりがあるとストレスを感じる。操作時のイライラを減らすため、少しずつアップグレードを繰り返してきた。

例えば80年の発売当初は、各面のマスにはシールを貼っていた。見た目は今と変わらないが、長時間使用するとシールがはがれたり、滑ってキューブが回しにくくなったりという問題が出てきた。「そこで2013年にシールを廃止し、各色のパネルを埋め込むように変更した」(小林氏)。同時に回転の構造も見直し、より滑らかに回って、キューブのパーツも外れにくい仕様に進化させた。

マス目にシールが貼られていた当時のキューブ(写真提供:メガハウス)

理由2:デジタル化に合わせて攻略法を充実

キューブの進化と並行して注力したのが、攻略法の普及だ。6面をそろえてクリアするにはある程度決まった手順があるが、それを知らずに挑戦すると、大半が1面もそろわず諦めることになる。初心者には情報の提供が肝心であるため、商品と攻略法をセットで訴求する方法を考えた。

05年に、商品に攻略冊子を付属したのも改善例の一つ。当時から攻略本は存在していたが、商品と別々に購入する必要があって金銭的なハードルが高かった。商品を購入するだけで完結させたことで、初心者の小学生や子供の頃に遊んでいた親世代も楽しめるようになり、07年の再ブームへとつながった。

今や当たり前の攻略冊子。昔は付属していなかった

インターネットやスマートフォンが広く普及すると、YouTubeなどの動画共有サービスに攻略系動画が数多く投稿され始めた。メガハウスも積極的にデジタル戦略を取り入れ、14年にはルービックキューブ公式アプリを配信(18年にサービス終了)。カメラを使って面情報を撮影し、アプリの手順に従うと6面が完成できるお助けサービスだった。20年の巣ごもりブーム時には「6面完成攻略サイト」も立ち上げている。

公式アプリでは、キューブを撮影して手順を導き出した。アプリの手順には決まった「型」がなく、最短の経路を提示する。それが人間が攻略するうえでの再現性に欠けるという課題があり、18年にサービスを終了した
次のページ
理由3:競技コミュニティーの拡大
MONO TRENDY連載記事一覧