デメリット多い「介護離職」 使える制度は全部使おう

2021/7/13
写真はイメージ=PIXTA
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働いて収入を得ることが「お金に困らない人生」のカギですが、人生には働き続けるのを難しくする出来事が起こることもあります。その1つが「介護」。親を介護するために仕事を辞めてしまう人は少なくありません。でも仕事を辞めると自分自身のライフプランやマネープランに支障をきたします。それを避けるには、介護を受ける人・介護をする人を支える制度やサービスを知り、活用することが重要です。

介護離職はデメリットが多い

介護が必要な人は80代後半から増えてきます。そのため、50代で親の介護に直面する人が多いのですが、40代で介護が始まる人もいるし、30代でも介護の可能性がゼロとはいえません。

現役世代が介護のために仕事を辞めてしまうのが「介護離職」です。確かに仕事と介護の両立には難しい面もあります。だからといって離職してしまうと、当然ながら収入が途絶えることになり、その分、将来受け取る年金額も減ってしまいます。離職すると貯蓄ができないだけでなく、それまでためたお金を取り崩すことにもなりかねず、老後資金が足りなくなるかもしれません。

また、いったん離職してしまうと再就職するのは難しく、再就職できたとしても、離職前より収入が減ることが多いのが実情です。

ですから介護のために離職するのはできるかぎり避けたいもの。介護を受ける人・介護する人を支える制度やサービスはいろいろあるので、使えるものは全部使って乗り切ることを考えましょう。

公的介護保険制度とは

昔は、介護は「家族がするもの」と考えられていて個人の負担が重かったのですが、2000年に介護が必要な人を社会全体で支える仕組みとして公的介護保険制度がスタート。40歳以上の人が加入して保険料を納める一方、原則として65歳以上で介護が必要な人は、公的介護サービスを利用することができます。その場合、利用したサービスの費用の1割(所得によっては2割または3割)を負担すればよいことになりました。

ただし、公的介護サービスを使うためには「要介護」という認定を受けなければなりません。そこで、介護が必要になったとき、最初にするのは「要介護認定の申請」だということをぜひ覚えておいてください。

認定の申請は、介護を受ける人が住んでいる自治体の介護保険の窓口か地域包括支援センターで行います。申請をすると調査員が自宅などへやってきて、心身の状態に関する聞き取り調査を行います。その結果とかかりつけ医の意見書を基に、「自立(非該当)」「要支援1または2」「要介護1~5」のいずれかが決まり、要支援の場合は「介護予防サービス」、要介護の場合は「介護サービス」が利用できるようになります。申請してから認定通知がくるまでおおむね1カ月です。

要介護と認定されたら、自宅で介護を受ける「在宅介護サービス」、施設で介護を受ける「施設介護サービス」、住んでいる自治体で提供される「地域密着型サービス」のいずれかを選択します。

在宅介護と地域密着型の場合は、ケアマネジャー(介護支援専門員)に、必要なサービス、例えば、訪問介護や訪問看護、訪問入浴、デイサービス(通所介護)、定期巡回などを組み合わせた「ケアプラン」を作ってもらい、各サービスを提供する事業者と契約を結びます。

施設サービスを利用する場合は入所する施設を探し、入所先が決まったらその施設と契約を結びます。

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