ソロキャンプでまず用意する7選 テントと寝袋最優先
ソロキャンデビュー 必携グッズ総まとめ(上)

とどまるところを知らないキャンプブーム。中でも注目度を高めているのが、1人でキャンプをする「ソロキャン」(ソロキャンプ)だ。初心者がソロキャンを始めるうえで、最初のハードルとなるのが道具の準備。今回は最初に用意すべき「必携グッズ」を紹介する。
ソロキャンを始めるなら、雨風をしのぐテント、寝具となるシュラフ(寝袋)は最優先で用意したい。近年はポールが1本のみで設営しやすいテントも増えている。テント泊での寝心地を良くするため、シュラフに加えてマットやコット(簡易ベッド)も要チェックだ。
テント:簡単設置で「在宅避難」にも活用できる必携3選
キャンプ必携グッズの筆頭であるテント。近年は、ソロキャンに向く小型のタイプが増えている。テントの中央を1本のポールで支える「ワンポール型」は、何より設営が簡単なのが特徴だ。他にもドーム形で、ワンタッチで設営できるテントもある。
素材は軽量で強度のあるポリエステルが多いが、たき火の火の粉で穴が開いてしまう、結露しやすいといった弱点がある。ポリエステルと綿の混紡生地であるTC(テクニカルコットン。ポリコットンとも呼ばれる)素材のテントは、やや重いものの、燃えにくく通気性が良いので人気を集めている。
テントは防災の観点でも、近年重要視される「在宅避難」で活用できるので、持っているといざというときに心強い。
人気上昇中のTC素材を使用 ワンポール型で設営もしやすい

WAQの「WAQ alpha T/C」は、2020年11月に先行予約を開始したTC素材のソロ用ワンポールテント。出入り口となる前面ファスナー部にサイドフラップ(タープのように張り出せる布)がある。これを付属のポールで跳ね上げることで、日差しや雨を防ぐスペース(前室)を作れる。前後2カ所の出入り口を開けて風通しを良くすれば、真夏でも涼しく過ごせる。実勢価格2万9800円(税込み)。

入門に向く定番テント 広めの前室部分もいい

コールマンの「ツーリングドーム/ST+」は、ソロキャンやツーリング用で大人気のテントに、遮光性を高めて内部の温度上昇を抑える機能をプラス。ドーム形だがポールをポケットに差し込む構造で、初心者でも迷わず設営できる。テント入り口部分を跳ね上げると、日差しをさえぎる屋根になる。価格が比較的手ごろなことも含め、入門テントに向く。重さは約5キログラム。実勢価格1万9800円(税込み)。

アーチフレームで広々とした前室の使い勝手の良さが特徴

革新的な製品で名高いアウトドアメーカー、米ニーモ・イクイップメントの21年発売の新作テントが「ダガー リッジポーチ 2P」。アーチ状のフレームを用いた大型の前室が特徴で、重さ(付属ペグを除く)は2.71キログラムと軽くツーリングキャンプに向く。前室部分には、テーブルとチェアを置いたり、小さいバイクを収納したりできる。前室の入り口はフルクローズできる。実勢価格7万1500円(税込み)。

シュラフ+マット・コット:より快適に眠れる必携4選
テント泊ではシュラフが必須だ。布団に近い寝心地の「封筒型」と、体の形によりフィットする「マミー型」の2種類がある。コンパクトに収納できるので、徒歩やバイクでのキャンプに向くのはマミー型だ。シュラフは災害時に、車内や避難所で寝る場合にも役立つので、誰でも持っておくほうがいい。
2枚重ねの封筒型シュラフ 全季節に対応できる

スナグパックの「ベースキャンプ スリープシステム」は、アウターとインナーの2枚を重ねて連結できる封筒型のシュラフ。シュラフには寒さに弱い人でも眠れるとされる「快適温度」があるが、2枚使用時にはそれがマイナス12度。真冬でも使える。快適使用温度が異なるアウターとインナーは単体でも使えるので、1年中対応できる。20年10月発売。実勢価格1万5180円(税込み)。

特徴的な構造でより暖かく 羽毛を使ったダウンシュラフ

モンベルの「シームレス ダウンハガー800#3」は、羽毛が詰まった21年新作のダウンシュラフ。特徴的なのが、羽毛の偏りを防ぐために袋の中を壁で仕切る構造を採用せず、くもの巣のように糸を張り巡らせる構造になっていること。そのためダウンが膨らみやすく、縫い目から侵入する冷気を防ぐのでより暖かい。実勢価格3万3000円(税込み)。

また、シュラフだけでは地面のデコボコや熱・冷気が背中に直接伝わるので眠りづらい。快適な睡眠を得るには、マットも併せて用意する。さらに寝心地を良くしたいなら、選択肢になるのがコット(簡易ベッド)。地面と空間ができるため、その上にシュラフを設置すればより快適だ。
片面がアルミ加工されたマット 季節に応じた使い分けが可能

WAQの「WAQ キャンプマット 1人用」は、片面にアルミ加工を施したマット。その面を上にして使えば体温が反射するので、暖かく使える。逆に夏はアルミ面を下にすることで、地面の熱を遮断させて暑さをしのぐといった具合に、季節に応じて使い分けることで快適に過ごせる。重さは約480グラム。車中泊でシートの段差が気になるときにも役立つ。実勢価格4580円(税込み)。

軽量と強度を両立 寝そべっても安定感があるコット

スナグパックの「コット」は、2.2キログラムと軽いのが特徴。収納時は直径18センチメートル、長さ38センチメートルの筒形になるので持ち運びやすい。軍用品も手掛ける英スナグパック製だけに、耐荷重が120キログラムと大柄な人でも使える。コットは一般的にポール3本を取り付けることが多いが、これはポール4本を使用するので、安定感がある。実勢価格2万1780円(税込み)。

(文 ライター 岡本ゆかり、写真 古立康三、岩田慶=fort)
[日経トレンディ 2021年7月号の記事を再構成]
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